こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、そこから復活する過程で130件以上の案件を調査してきました。
「NISAを始めたけれど、ほかの人は成長投資枠とつみたて投資枠をどう使っているのか」「自分の積立額は少なすぎないか」——資産形成を始めた会社員の方から、こうした疑問を聞くことがあります。
NISAの使われ方は、金融庁と日本証券業協会が統計として公表しています。この記事では、2026年6月末時点の最新データを読み解き、数字から何が分かって、何が分からないのか、そして自分の使い方を決めるときに統計をどう扱えばよいかを整理します。
2つの枠の基本は新NISAの基本|つみたて投資枠と成長投資枠の違いで、成長投資枠で積み立てる方法はNISAの成長投資枠でも積立はできる?で説明しています。この記事は統計の読み方に絞ります。
結論:2026年1〜6月の買付額の約7割は成長投資枠。ただし「平均」に合わせる必要はない
先に要点をまとめます(2026年10月26日時点で、金融庁と日本証券業協会が公表している資料で確認できた内容です)。
- NISA口座数は3,048万850口座(2026年6月末・全金融機関)。2025年12月末から約8.1%増えました
- 2026年1〜6月の買付額は約13.8兆円。そのうち成長投資枠が約10.2兆円(約73%)、つみたて投資枠が約3.7兆円(約27%)です
- つみたて投資枠の買付は約9割がインデックス投信、成長投資枠は上場株式と投資信託がほぼ半分ずつです
- 証券会社だけで見ると、成長投資枠の割合は75%(日本証券業協会)。集計の範囲が違うので、金融庁の数字とは一致しません
- 1口座あたりの買付額(単純平均)は年代で差がありますが、買付のない口座も含んだ平均で、中央値は公表されていません。自分の金額を決める物差しにはなりません
NISAの利用状況を公表している2つの統計
NISAの統計は主に2つあり、集計の範囲が違います。数字を見比べるときは、まずどちらの統計かを確かめます。
| 統計 | 集計の範囲 | 最新の時点 | 分かること |
|---|---|---|---|
| 金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果」 | NISAを取り扱う全金融機関(成長投資枠702機関・つみたて投資枠678機関) | 2026年6月末(2026年10月2日公表) | 口座数、枠別・商品別・年代別の買付額 |
| 日本証券業協会「NISA口座の開設・利用状況」 | 証券会社全社(銀行などは含まない) | 2026年6月末(2026年9月公表) | 証券会社の口座数・買付額、国内株と外国株の割合 |
出典:金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和8年6月末時点)の公表について」、日本証券業協会「NISA口座の開設・利用状況(証券会社全社・2026年6月末時点)」(PDF)
口座数と買付額:全体はどう動いているか
金融庁の資料によると、NISA口座数は2026年6月末で3,048万口座、2014年からの累計買付額は約85兆円です。政府目標(2027年12月末までに3,400万口座・買付額56兆円)のうち、買付額はすでに目標を上回っています。
| 時点 | NISA口座数 | 累計買付額 |
|---|---|---|
| 2024年12月末 | 2,559万口座 | 約53兆円 |
| 2025年12月末 | 2,821万口座 | 約71兆円 |
| 2026年6月末 | 3,048万口座 | 約85兆円 |
出典:金融庁「NISAの利用状況の推移」(別紙2・別紙3)。累計買付額は、旧制度(一般NISA・つみたてNISA)を含む2014年からの累計です。
日本証券業協会の資料でも、証券会社のNISA口座数は2025年12月末からの半年で約202万口座増え、前年同期(約116万口座)の約1.7倍のペースでした。2026年に入ってから口座開設が再び勢いづいていることが、どちらの統計からも読み取れます。
成長投資枠とつみたて投資枠、どちらがどれだけ使われているか
2026年1〜6月に2026年分の枠で買い付けられた金額を、枠ごとに分けると次のとおりです(金融庁、買付時の時価)。
| 枠 | 買付額(2026年1〜6月) | 割合 |
|---|---|---|
| 成長投資枠 | 約10兆1,577億円 | 約73% |
| つみたて投資枠 | 約3兆6,637億円 | 約27% |
| 合計 | 約13兆8,214億円 | 100% |
金額で見ると成長投資枠が大きく上回ります。ただし、年間の上限はつみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円で、成長投資枠のほうがもともと2倍大きく、一度にまとめて買うこともできます(金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」)。「成長投資枠を使う人のほうが多い」とは、この数字だけでは言えません。人数ではなく金額の割合である点に注意してください。
枠ごとに何が買われているか
| 枠 | 商品別の内訳(金額ベース) |
|---|---|
| 成長投資枠 | 投資信託 約48.4%/上場株式 約46.9%/ETF 約4.3%/REIT 約0.4% |
| つみたて投資枠 | インデックス投信 約88.1%/アクティブ運用投信等 約4.9%/ETF 約0.5%(一部の金融機関で内訳が取れず、合計は100%になりません) |
つみたて投資枠は、対象が国の基準を満たした投資信託・ETFに限られているため、インデックス投信が中心になります。成長投資枠は個別株も投資信託も買えるので、ほぼ半々に分かれています。
なお、成長投資枠でも毎月分配型の投資信託や信託期間20年未満の投資信託、整理・監理銘柄は買えません(金融庁「NISAを知る」)。対象外になる理由はNISAで買えない商品は?で整理しています。
証券会社だけで見ると数字が変わる
日本証券業協会の資料(証券会社全社)では、2026年1〜6月のNISA買付額のうち成長投資枠が75%、成長投資枠の中では株式60%・投資信託40%、成長投資枠の株式のうち90%が国内株でした(ここでの「株式」にはETF・REITを含みます)。
金融庁の数字(成長投資枠の上場株式・ETF・REITは合計で約52%)と比べて株式の割合が高いのは、銀行など証券会社以外の金融機関が含まれていないためと考えられます。銀行のNISAでは個別株を扱わないことが多いからです。「NISAでは株が◯%買われている」という話を見たら、どちらの統計の数字かを確かめるのが基本です。
年代別に見るNISAの使われ方
金融庁の資料から、年代別の口座数と2026年1〜6月の買付額を並べます。「1口座あたり」は、買付額を口座数で割った単純平均で、山崎正義が計算したものです。
| 年代 | 口座数(2026年6月末) | 買付額(2026年1〜6月) | 1口座あたり(単純平均) | 買付額に占める成長投資枠の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 20歳代 | 約377万 | 約9,107億円 | 約24万円 | 約60% |
| 30歳代 | 約531万 | 約2兆2,842億円 | 約43万円 | 約65% |
| 40歳代 | 約572万 | 約2兆8,327億円 | 約50万円 | 約70% |
| 50歳代 | 約600万 | 約3兆1,802億円 | 約53万円 | 約73% |
| 60歳代 | 約436万 | 約2兆5,487億円 | 約59万円 | 約78% |
| 70歳代 | 約320万 | 約1兆5,526億円 | 約48万円 | 約87% |
| 80歳代以上 | 約163万 | 約4,765億円 | 約29万円 | 約93% |
出典:金融庁「NISA口座の利用状況(令和8年6月末時点)」(別紙1)をもとに作成。10歳代(約49万口座・買付額約358億円)は表から省いています。
年代が上がるほど成長投資枠の割合が高くなり、20〜30歳代はつみたて投資枠の割合が比較的高い、という傾向が読み取れます。10歳代の口座数は2025年12月末の約13万から約49万へ大きく増えていますが、その理由は資料には書かれていません。
「1口座あたり」の数字をそのまま比べてはいけない理由
- 買付のない口座も含んだ平均:口座を開いただけで使っていない人も分母に入っています。実際に買っている人の平均は、これより高いはずです
- 一部の大きな買付に引っ張られる:成長投資枠で年240万円を一度に使う人がいれば、平均は上がります。真ん中の人の金額(中央値)は公表されていません
- 半年分の数字:1〜6月の集計なので、年後半にまとめて買う人や、ボーナス時期に積み増す人の分は入っていません
「同年代の平均より少ないから増やそう」と考えるのは、この数字の使い方として適切ではありません。いくら投資に回すかは、生活防衛資金を確保したうえで、家計から逆算して決めるものです。考え方は投資に回していいお金はいくら?で説明しています。
統計を自分の使い方に生かすときのチェックリスト
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 全金融機関の統計か、証券会社だけの統計か | 銀行を含むかどうかで、株と投資信託の割合が変わる |
| 金額の割合か、人数(口座数)の割合か | 成長投資枠は上限が大きいので、金額の割合は大きく出やすい |
| いつからいつまでの集計か | 半年分か、1年分か、2014年からの累計かで意味が違う |
| 平均か、中央値か | 平均は一部の大口の買付や、使っていない口座に左右される |
| 自分の目的と期間に合っているか | ほかの人の配分は、自分の収入・家族構成・使う時期を考えていない |
「みんな成長投資枠で個別株を買っている」を使った勧誘に注意
NISAの利用者が増えると、統計や話題を入り口にした勧誘も増えます。山崎正義が300万円の被害を受けた頃から、「みんなやっている」「今が乗り遅れないチャンス」と急がせる話し方は典型的な手口です。
- SNSや広告で「NISAで買うべき銘柄を教える」「成長投資枠を最大限生かす方法」とLINEグループなどに誘導される
- 「NISAの枠が余っているなら」と、NISAでは買えない商品や海外の未公開株を勧められる
- 「必ず増える」「元本保証で高利回り」と説明される
投資の助言や金融商品の販売には、金融庁への登録が必要です。勧誘を受けたら、相手が金融庁の登録業者一覧に載っているかを自分で確かめてください。今の商品を売って別の投資信託に乗り換えるよう勧められたときの確認点は、投資信託の乗り換えで何が引かれる?にまとめています。
山崎の見解:統計は「自分の位置」ではなく「制度の使われ方」を知る材料
副業歴8年・300万円の詐欺被害・130件以上の調査経験から言えるのは、他人の数字と比べて焦ったときほど判断を誤りやすい、ということです。山崎正義も、周りが稼いでいる話を聞いて焦り、確かめずにお金を出して失敗しました。
NISAの統計は、制度がどう使われているかを知るには役立ちますが、自分の金額や配分を決める答えにはなりません。山崎正義としては、統計を見たら「この数字の範囲・期間・平均かどうか」を確かめ、そのうえで自分の家計と目的に戻って考えることをすすめます。積立の金額や頻度の決め方は積立投資の設定の決め方が参考になります。
関連報道:ダイヤモンド・オンライン「NISA買付は成長投資枠がけん引!投資信託全体の傾向としては年後半は毎月分配型の存在感が高まる?【投資信託の最前線】」
よくある質問
Q1. NISAの統計はどこで見られますか?
金融庁のNISA特設ウェブサイトの「利用状況調査」のページに、時点ごとの調査結果(Excel・PDF)が掲載されています。証券会社だけの数字は、日本証券業協会の統計資料のページで見られます。
Q2. 成長投資枠の買付額が多いのは、つみたて投資枠より有利だからですか?
統計からは有利・不利は分かりません。成長投資枠は年間240万円とつみたて投資枠(120万円)の2倍の上限があり、まとめて買うこともできるため、金額が大きく出やすい面があります。どちらの枠を使うかは、買いたい商品と投資の仕方で決まります。
Q3. 同年代の1口座あたりの買付額より少ないのですが、増やすべきですか?
比べる必要はありません。表の金額は買付のない口座も含んだ単純平均で、一部の大きな買付にも左右されます。投資に回す金額は、生活防衛資金を確保したうえで家計から決めてください。
Q4. 毎月分配型の投資信託はNISAで買えますか?
買えません。金融庁の「NISAを知る」によると、成長投資枠では毎月分配型の投資信託や信託期間20年未満の投資信託などが対象から除かれています。つみたて投資枠も、国の基準を満たした投資信託・ETFに限られます。
Q5. 2026年の後半の数字はいつ分かりますか?
これまでの公表時期を見ると、12月末時点の数字は翌年の2月ごろに速報値、7月ごろに確報値が公表されています(2025年12月末時点は2026年2月18日に速報値、7月3日に確報値)。日本証券業協会も月次・半期の資料を公表しています。
困ったときの相談先
- ① 消費者ホットライン(188)
- ② 警察相談専用電話(#9110)
- ③ 金融庁 金融サービス利用者相談室
- ④ 証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)
山崎から一言

統計は「みんながどう使っているか」を知る材料で、「あなたがいくら投資すべきか」の答えではありません。数字を見て焦ったら、まず自分の家計表に戻ってきてください。



本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。数値は2026年10月26日時点で金融庁・日本証券業協会が公表している資料(2026年6月末時点)にもとづきます。












