こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、そこから復活する過程で130件以上の案件を調査してきました。
「TOPIXから700銘柄近くが外れるらしい」「持っているTOPIXの投資信託はどうなるの?」——2026年10月に入ってから、こうした質問をよく受けるようになりました。
結論から言うと、TOPIXに連動する投資信託やETFを持っている人が、手続きをする必要はありません。銘柄の入れ替えは運用会社が指数に合わせて行います。ただ、TOPIXと日経平均は「どの銘柄を、どう数えるか」がまったく違う指数で、今回の見直しでその違いがさらにはっきりします。
この記事では、日本取引所グループ(JPX)と日本経済新聞社の公表資料をもとに、2つの指数の違い、10月30日に何が変わるのか、持っている人が確認しておくことを整理します。
結論:TOPIXは「流動性で選ぶ指数」に変わり、移行は2028年7月まで段階的に進む
先に要点をまとめます(2026年10月29日時点で、JPX・日本経済新聞社が公表している資料で確認した内容です)。
- TOPIXは浮動株時価総額加重型、日経平均は225銘柄の株価平均型。同じ「日本株の指数」でも、大きい会社ほど重くなるのがTOPIX、株価(を調整した値)が高い銘柄ほど重くなるのが日経平均です
- TOPIXは2026年10月30日に初回の定期入替を行います。プライム・スタンダード・グロースの全市場から、売買の活発さ(流動性)を基準に選ぶ方式に変わります
- JPX総研の公表では、新規追加は35銘柄、基準を満たさなかった「移行措置銘柄」は683銘柄。10月30日時点の構成銘柄は1,669銘柄です
- 移行措置銘柄はすぐには外れず、四半期ごと8段階でウエイトを下げます。2027年10月に再評価があり、基準を満たせば残ります。移行完了(2028年7月末)時点の見込みは986銘柄+再評価で残る銘柄です
- TOPIX連動の投資信託・ETFの保有者に手続きは不要。個別株を持っている人も、移行措置銘柄に入ったことで上場廃止になるわけではありません
TOPIXと日経平均は何が違う?
まず、2つの指数の作り方を表で比べます。
| 項目 | TOPIX(東証株価指数) | 日経平均株価 |
|---|---|---|
| 算出する会社 | JPX総研(日本取引所グループ) | 日本経済新聞社 |
| 計算方法 | 浮動株時価総額加重型 | 株価平均型 |
| 基準 | 1968年1月4日の時価総額を100とする | 1950年9月7日に公表開始(1949年5月16日まで遡って算出) |
| 対象 | プライム・スタンダード・グロースの全市場から選定(10月30日の定期入替から) | 東証プライム市場から選定した225銘柄 |
| 銘柄の入れ替え | 年1回の定期入替(10月)+上場廃止などの非定期除外 | 年2回(4月初・10月初)の定期入れ替え+欠員時の臨時入れ替え |
| 銘柄数 | 1,669銘柄(2026年10月30日時点・移行措置銘柄を含む) | 225銘柄(欠員が出ても補充して維持) |
出典:JPX「TOPIX(東証株価指数、TPX)」、日本経済新聞社「日経平均プロフィル」
「時価総額加重」と「株価平均」の違い
TOPIXの「浮動株時価総額」とは、株価×市場で実際に売買されうる株数(創業家や親会社が持ち続ける株などを除いた株数)です。会社の規模が大きく、市場に出回る株が多い銘柄ほど指数への影響が大きくなります。なお、1銘柄のウエイトには10%の上限(ウエイトキャップ)があり、見直し後も変わりません。
日経平均は、225銘柄の株価(株価換算係数で調整した値)を合計し、「除数」で割って算出します。除数は銘柄の入れ替えや株式分割があっても指数がつながるように調整される数字で、日本経済新聞社は変更のたびに公表しています(2026年9月30日には29.66435840)。この方式では、会社の規模ではなく、1株あたりの株価が高い銘柄の値動きが指数に強く出ます。
そのため、同じ日に「日経平均は上がったのにTOPIXは下がった」ということが起こります。ニュースで2つの数字を見るときは、「日経平均=値がさ株(株価の高い銘柄)の影響を受けやすい225銘柄」「TOPIX=市場全体の時価総額の動き」と覚えておくと読み違えにくくなります。
10月30日のTOPIX定期入替で何が変わる?
JPXは、2022年4月の市場区分の再編をきっかけに、TOPIXを2段階で見直しています。第1段階(流通株式時価総額100億円未満の銘柄のウエイトを2022年10月末〜2025年1月末に段階的に下げたもの)は完了しており、今回は第2段階です。
| 項目 | 見直し前 | 見直し後(2026年10月30日〜) |
|---|---|---|
| 対象市場 | 主にプライム市場(市場再編前からの継続銘柄を含む) | プライム・スタンダード・グロースの全市場 |
| 選び方 | 市場区分で決まる | 年間売買代金回転率と浮動株時価総額の累積比率で選定 |
| 定期入替 | なし | 初回は2026年10月、2回目は2028年10月。以降は年1回 |
| 継続の基準(再評価時) | — | 年間売買代金回転率0.14以上、浮動株時価総額の累積比率が上位97%以内 |
「年間売買代金回転率」は、ざっくり言うとその銘柄が1年間に、市場に出回る株の量に対してどれだけ売買されたかを示す数字です。時価総額がそれなりにあっても、ほとんど売買されない銘柄は選ばれにくくなります。
JPX総研が公表した初回定期入替の結果
| 項目 | 定期入替前(2026年8月末) | 定期入替後(2026年10月末) | 移行完了時(2028年7月末) |
|---|---|---|---|
| 銘柄数 | 1,636銘柄 | 1,669銘柄(うち移行措置683銘柄) | 986銘柄+再評価基準を満たした銘柄 |
| 浮動株時価総額の合計 | 775兆円 | 778兆円 | 766兆円 |
| 市場カバー率 | 97.4% | 97.9% | 96.4% |
| 1日あたり売買代金(中央値) | 約4.8億円 | 約5.0億円 | 約15.4億円 |
出典:JPX総研「2026年10月初回定期入替の結果(別紙)」(PDF・2026年10月7日)、「TOPIX初回定期入替における選定結果(2026年10月30日実施)及び構成銘柄一覧」(PDF)
表から読み取れるのは、銘柄数は大きく減るのに、指数がカバーする時価総額はほとんど変わらないということです。外れていくのは主に規模が小さく売買の少ない銘柄なので、指数全体の値動きへの影響は限られる、というのがJPX総研の示している見通しです。
移行措置銘柄は「すぐに外れる」わけではない
683の移行措置銘柄は、10月30日に一斉に外れるのではありません。四半期ごと8段階でウエイトを下げていき、2027年10月の再評価で継続基準を満たした銘柄は、ウエイトの低減が止まって構成銘柄に残ります。急な売買で株価が乱れないよう、時間をかけて移す設計です。
TOPIX連動の投資信託・ETFを持っている人に起きること
JPXによると、TOPIXに連動するETF・投資信託・年金などの運用資産は約160兆円(2026年6月末時点)にのぼります。新NISAでTOPIX連動のインデックスファンドを積み立てている会社員の方も多いはずです。
| 持っているもの | 起きること | やること |
|---|---|---|
| TOPIX連動の投資信託 | 運用会社が指数に合わせて組入銘柄を調整する | 手続きは不要。積立もそのまま続く |
| TOPIX連動のETF | 同上(ETFの中身が指数に合わせて変わる) | 手続きは不要 |
| 日経平均連動の投資信託・ETF | 今回のTOPIX見直しとは関係しない | なし |
| 移行措置銘柄の個別株 | TOPIXでのウエイトが段階的に下がる。上場は続く | 手続きは不要。会社の業績や開示を見て判断する |
インデックスファンドは、指数に合わせて中身を入れ替えるところまで含めて運用会社に任せる商品です。「TOPIXが変わるから急いで売り替えなければ」と考える必要はありません。同じTOPIX連動でも商品ごとに指数との差(トラッキング差)やコストは違うので、気になる人は運用報告書や月次レポートで、指数との差が広がっていないかを確認するとよいでしょう。コストの確かめ方は投資信託の信託報酬はいつ・どうやって引かれる?で説明しています。
インデックスファンドそのものの考え方はインデックス投資と個別株投資の違い、ETFと投資信託の選び分けはETFと投資信託の違いもあわせて読んでみてください。
個別株を持っている人が知っておきたいこと
持っている株が移行措置銘柄に入っていても、上場廃止とはまったく別の話です。上場の維持は取引所の上場維持基準で判断され、TOPIXの構成銘柄かどうかとは関係ありません(上場廃止の流れは上場廃止になった株はどうなる?を参照)。
一方で、TOPIX連動の資金は指数のウエイトに合わせて売買されるため、ウエイトが下がる銘柄では、その分の売りが段階的に出ると一般に考えられています。ただ、株価はそれ以外の多くの要因でも動きますし、どの程度の影響が出るかを事前に言い当てることはできません。入替の情報だけを理由に慌てて売買しないことをおすすめします。
「TOPIX除外で暴落」をうたう勧誘に注意
山崎が300万円を失ったのは、「今だけ」「あなただけ」の情報に飛びついたからでした。制度の変更や指数の入れ替えは、こうした勧誘の格好の材料になります。
- 「TOPIXから外れる銘柄は暴落する。今すぐ売って、こちらの銘柄に乗り換えを」
- 「新規採用銘柄の先回り情報をLINEグループで配信」「次回の入替予想リストを有料で」
- 「指数見直しで投資信託が損をする。元本保証の商品に移しましょう」
入替の結果はJPXのウェブサイトで誰でも無料で見られますし、次回の定期入替(2028年10月)までの予定も公表されています。公表済みの情報を「特別な情報」として売る話や、元本保証をうたう話は、まず疑ってかかってください。投資助言には金融庁への登録が必要です。登録の確かめ方は株式投資の始め方ロードマップの詐欺対策の章でも整理しています。
参考:日本経済新聞社「日経平均プロフィル」、JPX「TOPIX等の株価指数における構成銘柄の定期入替等について」(2026年10月7日)
よくある質問(FAQ)
Q1. TOPIX連動のインデックスファンドを積み立てています。設定を変える必要はありますか?
必要ありません。銘柄の入れ替えは運用会社が指数に合わせて行うので、保有者の手続きは不要です。積立の設定もそのまま続きます。
Q2. TOPIXの銘柄数が減ると、分散が効かなくなりませんか?
JPX総研の資料では、移行完了時(2028年7月末)も市場カバー率は96.4%と見込まれています。外れていくのは主に規模が小さく売買の少ない銘柄で、時価総額で見た市場全体の大部分は引き続きカバーされます。
Q3. 持っている株が移行措置銘柄に入りました。上場廃止になりますか?
なりません。TOPIXの構成銘柄かどうかと、上場を続けられるかどうかは別の基準で決まります。移行措置銘柄は2027年10月の再評価で基準を満たせば、TOPIXにも残ります。
Q4. 日経平均とTOPIX、どちらに連動する商品を選べばいいですか?
どちらが有利とは言えません。225銘柄で株価の高い銘柄の影響が大きい日経平均と、市場全体の時価総額の動きを表すTOPIXでは、値動きの性格が違います。指数の作り方とコストを確認し、自分が「何に投資したいか」で選ぶのが基本です。
Q5. 次のTOPIXの定期入替はいつですか?
JPXの公表では、2回目の定期入替は2028年10月で、その後は毎年行われる予定です。移行措置銘柄の再評価は2027年10月に行われます。
困ったときの相談先
- ① 金融庁 金融サービス利用者相談室
- ② 消費者ホットライン(188)
- ③ 警察相談専用電話(#9110)
- ④ 法テラス
- ⑤ 日本弁護士連合会
山崎から一言

指数の入れ替えは、インデックス投資をしている人にとって「何もしなくていい」ことが一番の答えになる珍しいニュースです。ただ、自分が何に連動する商品を持っているのかを、この機会に一度だけ確かめておいてください。



本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。記載の銘柄数・日程は2026年10月29日時点でJPX・日本経済新聞社が公表している資料にもとづきます。最新の情報は各社の公表資料でご確認ください。










