配当金は確定申告したほうが得?総合課税・申告分離課税・申告不要の選び方と、配当控除が効く所得の目安

配当金は確定申告したほうが得?総合課税・申告分離課税・申告不要の選び方と、配当控除が効く所得の目安

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。

こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、そこから復活する過程で130件以上の案件を調査してきました。投資の勧誘や「うまい話」で迷ったときは、山崎の副業相談室(LINE・無料)に届いた内容を送ってもらえれば、これまでの事例と照らしてお答えします。

「配当金は確定申告すると税金が戻ってくるらしい」「いや、申告すると住民税や保険料が上がるから損だと聞いた」——配当金の申告については、正反対の話が同時に出回っています。どちらも間違いではなく、その人の所得の水準や加入している健康保険によって答えが変わるのが実際のところです。

この記事では、上場株式の配当金について選べる3つの方式(申告不要・総合課税・申告分離課税)の違いと、配当控除で税負担が下がる所得の目安、申告したことで別の負担が増えるケースに絞って整理します。株の売却益を含めた税金の全体像は株の税金入門|特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告は不要?で扱っています。

目次

結論:多くの会社員は「申告不要」のままで問題ない。申告で得をするのは条件が揃ったとき

上場株式の配当金は、受け取る時点で約20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収され、そこで納税を終わらせることができます。これが「申告不要」です。確定申告をするのは、次のどちらかに当てはまるときです。

方式選ぶと得になりやすい人気をつける点
申告不要特に理由がない人、手間をかけたくない人、課税所得が高めの人配当控除も損益通算も使えない
総合課税課税所得がおおむね695万円以下で、配当控除の対象になる日本株の配当がある人住民税の所得が増え、国民健康保険料や扶養の判定に響くことがある
申告分離課税同じ年に株の売却損があり、配当と相殺(損益通算)したい人配当控除は使えない。所得が増えて見える点は総合課税と同じ

つまり「申告すれば必ず戻る」わけでも「申告すると必ず損」なわけでもありません。①課税所得の水準、②売却損の有無、③国民健康保険や扶養への影響の3点で判断します。

すでに申し込んでしまった方、いま勧誘が届いている方へ。山崎の副業相談室(LINE・無料)では、届いているDMや契約の画面を送っていただければ、これまでに調査した事例と照合してお答えしています。返金・解約の進め方も個別にご案内します。友だち追加は無料で、いつでもブロックできます。

山崎の副業相談室 LINE友だち追加はこちら

3つの方式の違いを一覧で比べる

項目申告不要総合課税申告分離課税
税率源泉徴収の約20.315%で完了給与などと合算して累進税率(所得税5〜45%+住民税10%)約20.315%(源泉徴収と同じ)
配当控除使えない使える使えない
売却損との損益通算できないできないできる(繰越控除も可)
合計所得金額に入るか入らない入る入る
手間なし確定申告が必要確定申告が必要

ここで見落としやすいのが「合計所得金額に入るか」の行です。申告不要なら配当は所得の計算に出てきませんが、総合課税でも申告分離課税でも、申告した配当は合計所得金額に含まれます。これが後で説明する住民税・保険料・扶養の話につながります。

住民税だけ別の方式を選ぶことは、今はできない

以前は「所得税は総合課税で申告し、住民税は申告不要にする」といった使い分けができました。しかし税制改正により、令和6年度(2023年分の所得)以降の住民税は、所得税で選んだ方式と一致させることになっています。古いブログやSNSで「住民税だけ申告不要にすれば保険料は上がらない」と書かれていることがありますが、現在は使えない方法です。

配当控除の仕組みと、効く課税所得の目安

総合課税を選んだときだけ使えるのが「配当控除」です。日本の会社から受け取る配当は、会社の段階で法人税がかかった利益から支払われているため、個人の段階でその分を一部差し引く、という考え方の制度です。控除率は次のとおりです。

課税総所得金額等所得税の控除率住民税の控除率
1,000万円以下の部分配当所得の10%配当所得の2.8%
1,000万円を超える部分配当所得の5%配当所得の1.4%

この控除を差し引いたあとの、配当にかかる実質的な税率の目安を所得税の税率区分ごとに並べると、次のようになります(復興特別所得税を含めた概算)。

課税所得(配当を含む)所得税率総合課税の実質負担の目安申告不要(約20.315%)と比べると
195万円以下5%約2%総合課税が有利になりやすい
195万円超〜330万円以下10%約7%総合課税が有利になりやすい
330万円超〜695万円以下20%約17%総合課税がやや有利
695万円超〜900万円以下23%約20.5%ほぼ同じか、申告不要が有利
900万円超33%以上30%前後以上申告不要が有利

上表の実質負担は「(所得税率−10%)×1.021+(住民税10%−2.8%)」で求めた概算です。所得税の配当控除の控除率(課税総所得金額等が1,000万円以下の場合、剰余金の配当は10%)は、国税庁「No.1250 配当控除」で確認できます(2026年10月時点)。

表の目安だけで判断できない理由が2つあります。

  • 配当控除は所得税額までしか引けない:課税所得が低く、もともとの所得税額が小さい人は、控除しきれなかった分が戻ってくるわけではありません。表の「約2%」は、控除を使い切れる前提の目安です
  • 配当を足すことで税率の区分が上がることがある:課税所得が区分の境目近くにある人は、配当を合算した結果、配当の一部に一段高い税率がかかります

会社員の場合、課税所得は源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引いた金額でおおよそ把握できます。年収そのものではない点に注意してください。

配当控除の対象にならない配当

「総合課税にすれば配当控除が使える」のは、日本の会社の配当が中心です。次の配当は、総合課税を選んでも配当控除の対象外か、控除率が異なります。

配当の種類配当控除補足
米国株など外国株の配当対象外外国で課税された分は外国税額控除で調整する(米国株の税金と確定申告で解説)
J-REIT(不動産投資信託)の分配金対象外法人税がかからない仕組みのため
外国株で運用するETF・投資信託の分配金対象外、または控除率が低い外貨建て資産の割合などで扱いが変わる
NISA口座で受け取った配当そもそも非課税申告の対象外。受け取り方法によっては課税される点は配当金の受け取り方法4種類の違いで解説

米国株やJ-REITの配当を総合課税で申告すると、配当控除が効かないまま累進税率がかかるため、かえって負担が増えることがあります。申告する配当を選ぶときは、銘柄の種類を必ず確認してください。

申告したことで増える負担:住民税・保険料・扶養

「所得税が戻ってきたのに、トータルでは損をした」という声が出るのはこの部分です。申告した配当は合計所得金額に入るため、所得を基準に決まる次のものに影響します。

影響するもの影響を受けやすい人内容
国民健康保険料・後期高齢者医療保険料自営業・フリーランス・退職後の人、75歳以上の人保険料の所得割が、申告した配当の分だけ増える
配偶者控除・扶養控除、健康保険の扶養家族の扶養に入っている人合計所得金額や収入の基準を超えると、扶養から外れる可能性がある(株の利益と扶養の関係で解説)
医療費の自己負担上限・各種給付所得で区分が決まる制度を使っている人所得区分が上がり、負担額が変わることがある

一方、会社の健康保険に加入している会社員本人の保険料は給与(標準報酬月額)で決まるため、配当を申告しても保険料は変わりません。「申告すると保険料が上がる」という話は主に国民健康保険の加入者に当てはまる、と押さえておくと整理しやすくなります。

なお、扶養控除・配偶者控除の対象になる家族の合計所得金額の基準は、2025年分が58万円以下、2026年分からは62万円以下です(国税庁「No.1180 扶養控除」・「No.1191 配偶者控除」)(2026年10月時点)。

申告するときの手順と、選び方のルール

  1. 年間取引報告書を用意する:特定口座(源泉徴収あり)で配当を受け取っている場合、証券会社が年明けに交付する年間取引報告書に、配当の金額と源泉徴収税額がまとまっています
  2. 申告する配当を決める:申告不要は、原則として1回に支払いを受ける配当ごとに選べます。ただし源泉徴収ありの特定口座で受け取った配当は、口座単位でまとめて申告するかしないかを選びます
  3. 総合課税か申告分離課税かを決める:申告する上場株式等の配当は、すべて総合課税か、すべて申告分離課税のどちらかに揃える必要があります。一部だけ総合、一部だけ分離という分け方はできません
  4. 確定申告書を作る:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、年間取引報告書の数字を入力していくのが一般的です

売却損と配当を相殺する申告分離課税の考え方は損益通算と繰越控除の基本で詳しく扱っています。売却損があって損益通算をしたい年は、配当を申告分離課税で申告し、配当控除はあきらめる、という判断になるのが一般的です。

なお、配当がいつ、どの時点で株を持っていればもらえるのかは権利確定日・権利付最終日から受け取りまでの流れ、配当の水準の読み方は配当利回りと配当性向の読み方を参考にしてください。

「配当で年金代わり」「税金が戻る」をうたう勧誘に注意

配当や税金の話題は、詐欺まがいの勧誘に使われやすいテーマでもあります。山崎正義が調査してきた事例では、次のような誘い文句が繰り返し見られました。

  • 「高配当株を組み合わせれば、毎月決まった額の配当が入る」と、配当が保証されているかのように説明する
  • 「配当控除を使えば税金がほとんどかからない」と、制度の条件を省いて有利さだけを強調する
  • 「税金の還付手続きを代行する」と称して、手数料や口座情報を求める

配当は会社の業績次第で減ったりなくなったりするもので、あらかじめ約束されたものではありません。また、税務署や自治体がATMでの操作を求めたり、電話やSNSで還付の手数料を求めたりすることはありません。勧誘してきた相手が金融商品取引業の登録業者かどうかは無登録業者の見分け方|金融庁の登録一覧で確かめる4ステップで、典型的な手口は投資詐欺の典型手口と見分け方で確認できます。

株式投資の全体の流れは株式投資の始め方ロードマップにまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 配当金が少額なら、申告しなくても問題ありませんか

上場株式の配当は、源泉徴収で納税が完了する申告不要を選べるため、金額にかかわらず申告しなくても問題ありません。申告するかどうかは、配当控除や損益通算で得になるかどうかで判断します。

Q2. 一度申告不要を選んだあと、あとから総合課税に変えられますか

確定申告の期限後に、選んだ方式を変えることは原則としてできません。どの方式で申告するかは、期限内に試算してから決めてください。国税庁の質疑応答事例でも、上場株式等の配当を除外して(申告不要を選んで)確定申告した場合、その後の修正申告や更正でその配当を総所得金額に含めることは認められないとされています(2026年10月時点)。

Q3. 会社員で年末調整を受けていても、配当だけ申告できますか

できます。年末調整を受けた会社員が配当の還付を受けたい場合も、確定申告をします。医療費控除などで申告する年は、配当をどう扱うかも一緒に決めておくと手間が減ります。

Q4. NISAで受け取った配当も申告したほうがいいですか

NISA口座で非課税になった配当は、もともと税金がかかっていないため申告の対象になりません。ただし、配当の受け取り方法が「株式数比例配分方式」になっていないと、NISA口座の株でも課税されることがあります。

相談先まとめ

  • 税務署・国税庁の電話相談センター:配当の申告方法や控除の適用についての一般的な相談
  • お住まいの市区町村の税務担当・国民健康保険担当:住民税や保険料への影響の確認
  • 税理士:個別の損得の試算
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室:金融商品取引業者に関する相談・無登録業者の確認
  • 消費者ホットライン(188):配当や還付をうたう勧誘など、消費者トラブルの相談
  • 警察相談専用電話(#9110):還付金をかたる詐欺の疑いがあるとき

山崎から一言

300万円を失った頃の山崎正義は、「いくら増えるか」ばかりを考えて、「いくら手元に残るか」を考えたことがありませんでした。配当の申告は、まさにその「残る金額」の話です。所得税が戻っても、保険料が上がれば差し引きはマイナスになることもあります。数字を一度だけでも自分で並べてみる。それができれば、SNSの「申告しないと損」「申告すると損」のどちらにも振り回されずに済みます。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。本文中の税率・控除率・制度の内容は2026年9月時点で一般的な内容を整理したものです。個別の損得は税務署や税理士にご確認ください。

山崎の副業相談室(LINE・無料)

友だち追加は無料で、いつでもブロックできます。いま届いている勧誘が過去の事例と一致していないか、一緒に確認しましょう。

山崎の副業相談室 LINE友だち追加はこちら

▶ LINEで山崎に相談する(友だち追加・無料)

配当金は確定申告したほうが得?総合課税・申告分離課税・申告不要の選び方と、配当控除が効く所得の目安

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

NEXT STEP

怪しい案件を避けて、安全に始めたい方へ

130件以上の調査経験から、山崎正義が「安全に使える」と判断したサービスと選び方をまとめています。迷ったら山崎の副業相談室(LINE・無料)で質問もできます。

著者への連絡はこちら

山崎正義のアバター 山崎正義 検証者

実体験に基づく検証で副業詐欺被害者をゼロにする.
みなさんが少しでもいい方向へ一緒に迎える様にサイトを
立ち上げてみました。

目次