米国株は円貨決済と外貨決済どっちで買う?為替手数料がかかるタイミングと、配当・売却代金の受け取り方の違い

米国株は円貨決済と外貨決済どっちで買う?為替手数料がかかるタイミングと、配当・売却代金の受け取り方の違い

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。

「米国株を買おうとしたら、注文画面で『円貨決済』と『外貨決済』を選べと言われた。どっちを選べばいいのかわからない」——山崎の副業相談室には、米国株を始めたばかりの会社員の方からこうした質問がよく届きます。

山崎正義は、投資で一発逆転を狙って300万円を失った経験があります。当時は売買の回数ばかり増やし、そのたびに引かれていた為替のコストを一度も計算したことがありませんでした。決済方法の違いは、1回ごとの差は小さくても、売買を繰り返すほど効いてきます。この記事では、円貨決済と外貨決済の違い、為替手数料がかかるタイミング、配当・売却代金の受け取り方の違いを整理し、自分に合う決め方を考えます。

取引時間や手数料の全体像は米国株取引の基本で、為替の動きが資産額にどう効くかは円高・円安で米国株の資産額はどう変わる?で説明しています。この記事は「どちらの決済方法で買い、どう受け取るか」に絞ります。

目次

結論:違いは「円とドルを交換するタイミング」だけ。売買の回数と、ドルを使い続けるかで選ぶ

先に要点をまとめます。

  • 円貨決済:円で注文し、証券会社が売買のたびに円とドルを自動で交換する。手間がかからない代わりに、買うとき・売るときの両方で為替手数料がかかる
  • 外貨決済:先に自分で円をドルに替えておき、ドルで売買する。売却代金はドルのまま残るので、ドルで次の株を買えば為替手数料は1回で済む
  • どちらでも同じもの:買える銘柄、株の売買手数料、株価の値動き、為替の値動きの影響。決済方法を変えても為替リスクは消えない
  • 選び方の目安:少額で始めて、たまに買うだけなら円貨決済で十分。売買や配当の再投資を繰り返すなら外貨決済のほうがコストを抑えやすい
  • 注意点:為替手数料の額、選べる決済方法、配当を受け取る通貨は証券会社ごとに違う。注文前に取引ルールで確認する

円貨決済と外貨決済の違いを表で比べる

2つの決済方法の流れ

米国株は米国の取引所でドル建てで売買されています。日本の証券口座から買う場合、どこかで必ず「円→ドル」の交換が発生します。違うのは、その交換を誰が・いつ行うかです。

項目円貨決済外貨決済
注文に使うお金円ドル(先に両替しておく)
円とドルの交換売買のたびに証券会社が自動で行う自分のタイミングで行う
為替手数料がかかる回数買うとき1回・売るとき1回円→ドルに替えるとき・ドル→円に戻すとき
売却代金円で口座に入るドルのまま口座に残る
手間少ない(両替の操作が不要)両替の操作と、ドル残高の管理が必要
向いている人少額・たまに買う・円で受け取りたい人売買や再投資を繰り返す・ドルを持ち続けたい人

多くの証券会社では注文ごとに選べる

決済方法は口座ごとに1つに決まるのではなく、注文のたびに選べる証券会社が多くあります。「円貨決済で買って、売るときは外貨で受け取る」「外貨決済で買って、売るときは円に戻す」という組み合わせができる場合もあります。ただし、証券会社によっては片方しか扱っていなかったり、NISA口座では選べる方法が限られていたりします。

たとえばDMM 株では、米国株の売買で円貨決済と外貨決済のどちらかを選べます(DMM 株「米国株式の商品概要・取引ルール」、2026年10月時点)。ほかの証券会社やNISA口座での扱いは、各社の取引ルールで確認してください。

為替手数料はいつ、何回かかるのか

為替手数料は「レートの上乗せ」として見えにくい形でかかる

円とドルを交換するときには、株の売買手数料とは別に為替手数料(為替スプレッド)がかかります。多くの場合、「1ドルあたり◯銭」という形で、基準になるレートに上乗せ(円→ドル)または差し引き(ドル→円)されます。取引報告書に「手数料」として別に表示されず、適用レートに含まれていることが多いので、意識しないと見落とします。

実際の水準を公式情報で見ると、DMM 株は円貨決済で売買するときも、外貨決済のために両替するときも1ドルあたり片道25銭です(DMM 株「米国株式の商品概要・取引ルール」、2026年10月時点)。一方、SBI証券は2023年12月から自分で行う米ドル/円の両替(リアルタイム為替)の手数料を0銭にしており(SBIホールディングス「米ドル/円の為替手数料無料化のお知らせ」、2026年10月時点)、楽天証券も同様に米ドル/円のリアルタイム為替手数料を無料にしています(楽天証券のお知らせ、2026年10月時点)。「円貨決済のコスト」と「自分で両替するコスト」が会社ごとに違うため、同じ取引でも有利な決済方法が変わります。手数料はキャンペーン等で変わることもあるので、注文前に公式の手数料ページで確認してください。

計算例:同じ株を「買って売る」だけで比べる

仮に、為替手数料を1ドルあたり25銭、為替レートは買うときも売るときも1ドル=150円で変わらないとします。1株100ドルの株を10株(1,000ドル分)買い、同じ値段で売った場合の為替手数料は次のとおりです(株の売買手数料は別)。

パターン為替手数料がかかる場面為替手数料の合計
円貨決済で買い、円貨決済で売る買うとき(1,000ドル×25銭)+売るとき(1,000ドル×25銭)500円
外貨決済で買い、売却代金を円に戻す円→ドル(1,000ドル×25銭)+ドル→円(1,000ドル×25銭)500円
外貨決済で買い、売却代金のドルで次の株を買う最初の円→ドル(1,000ドル×25銭)のみ250円(次の購入時は0円)

1回の「買って売って円に戻す」だけなら、円貨決済でも外貨決済でも為替手数料は同じです。差が出るのは、売却代金や配当をドルのまま次の株に回すときです。円貨決済では売るたびに円に戻し、買うたびにドルに替えるので、乗り換えを繰り返すほど為替手数料が積み上がります。

この例の数字はあくまで計算のための仮のものです。自分で行う両替が0銭の証券会社なら、外貨決済で買って円に戻すほうが、1回の売買でも為替手数料を抑えられます。手数料はキャンペーンなどで変わることもあるので、注文前に確認してください。株の売買手数料と合わせた比べ方は株の売買手数料の仕組みで整理しています。

円貨決済は「注文時のレート」で決まるわけではない

円貨決済で注意したいのは、適用される為替レートが注文した瞬間には決まっていないことが多い点です。米国株は日本時間の夜に取引されるため、約定後に証券会社が決めたレートで円に換算されるのが一般的です。たとえばDMM 株では、約定為替レートが確定するのは現地約定日の翌国内営業日の朝7時30分ごろです(DMM 株「米国株式の商品概要・取引ルール」、2026年10月時点)。そのため注文時には、為替の変動を見込んで実際の代金より多めの金額が拘束されることがあります。

配当と売却代金はどう受け取るか

売却代金:円で受け取るか、ドルのまま残すか

売るときに円貨決済を選べば、代金は円で口座に入り、そのまま出金や日本株の購入に使えます。外貨決済を選べば、代金はドルのまま「外貨預り金」として口座に残ります。ドルのままでは銀行口座に出金できない証券会社が多いので、生活費に使う予定のお金は円で受け取るほうが手間がかかりません。

売却代金を引き出せるのは受渡日以降です。受渡日の考え方は株を売った代金はいつ引き出せる?で説明しています。米国株は日本と祝日が違うため、日本株より日程がずれることがあります。

配当:ドルで入るのか、円で入るのか

米国株の配当は、もともとドルで支払われます。日本の証券口座では、ドルのまま入金されるか、円に替えて入金されるかのどちらかになり、どちらになるか(選べるかどうか)は証券会社ごとに決まっています。ドルで受け取った配当は、外貨決済で次の株を買うのに使えます。円で受け取る場合は、その時点で為替手数料がかかるのが一般的です。

たとえばDMM 株では、米国株(ETF・ADRを含む)の配当金はすべて米ドルで受け取ります。また、同社ではドルのまま出金できないため、銀行口座に移すには先に円へ両替する必要があります(DMM 株「外貨決済サービス」、2026年10月時点)。

なお、米国株の配当には、決済方法に関係なく米国で10%の税金が差し引かれ、特定口座ではさらに日本の税金がかかります。この二重課税と外国税額控除については米国株の税金と確定申告で整理しています。

税金の計算は決済方法で変わらない

「ドルで売ったなら、利益もドルで計算されるのでは」と思われがちですが、日本の税金は円に換算した金額で計算されます。外貨決済で売買しても、買ったときと売ったときの株価をそれぞれその日の為替レートで円に換算し、その差が譲渡益(または譲渡損)になります。つまり、株価が変わらなくても円安が進んでいれば、円換算では利益が出ることがあります。特定口座であれば、この換算は証券会社が行います。

円換算に使うレートは、外国株の譲渡については国税庁の通達(措置法通達37の10・37の11共-6)で、売ったときは約定日のTTB(電信買相場)、買ったときは約定日のTTS(電信売相場)によるのが原則とされています(国税庁「措置法第37条の10・第37条の11共通関係」、2026年10月時点)。また、外国株式を外貨建てで売った場合は、円に換算した譲渡代金がそのまま株式の収入金額として扱われ、保有期間中の為替の変動分を雑所得として分ける必要はないとされています(国税庁「外貨建取引による株式の譲渡による所得」、2026年10月時点)。

注意したいのは、売却代金のドルを口座に置いたまま、あとで円に戻した場合です。株を売ってドルを受け取った後、そのドルを持っている間の為替の値上がり分は、株の譲渡益とは別に扱われ、特定口座の自動計算の対象外になることがあります。

国税庁の質疑応答事例では、為替差損益は一般に異なる通貨の交換(円→ドル→円の往復など)によって生じるもので、外貨を他の通貨に交換した時点で所得として認識するとされています(国税庁「保有する外国通貨を他の外国通貨に交換した場合の為替差損益の取扱い」、2026年10月時点)。一方、外貨預金の元本を同じ外国通貨のまま預け替えるだけなら、為替差益は認識しないとされています(国税庁「外貨建預貯金の預入及び払出に係る為替差損益の取扱い」、2026年10月時点)。証券口座のドル残高に当てはめたときの申告の要否は、税務署や税理士に確認してください。

どちらを選ぶか:自分の使い方で決める

判断のためのセルフチェック

あなたの使い方考えやすい決済方法理由
毎月数万円を、同じ銘柄にたまに追加するだけ円貨決済両替の手間がなく、為替手数料の差も小さい
売却代金を生活費や日本株に回すつもり円貨決済(売却時)いずれ円に戻すなら、為替手数料の回数は変わらない
米国株どうしで乗り換えることが多い外貨決済売却代金のドルをそのまま使えば、両替の回数が減る
配当をドルのまま米国株に再投資したい外貨決済ドルの配当をそのまま買付に回せる

外貨決済の「両替のタイミング」で勝負しない

外貨決済では、円をドルに替えるタイミングを自分で選べます。そのため「円高になるまで待ってから両替しよう」と考える方がいますが、為替の動きを当て続けることはプロでも難しく、待っている間に買いたい株の値段が動くこともあります。両替の時期を分けたい場合は、決まった金額を決まった日に替えるなど、ルールで決めておくほうが続けやすいはずです。積立の考え方は積立投資の設定の決め方を参考にしてください。

証券会社を選ぶときに見る場所

米国株を扱う証券会社を比べるときは、株の売買手数料だけでなく、次の点を取引ルールで確認しておくと、決済方法を選ぶときに迷いません。

  • 円貨決済・外貨決済のどちらに対応しているか(NISA口座を含めて)
  • 為替手数料は1ドルあたりいくらか。円貨決済と外貨決済用の両替で違うか
  • 円貨決済の為替レートが決まるタイミング
  • 配当がどの通貨で入金されるか
  • ドルのまま出金できるか、できる場合の手数料

米国株を扱う証券会社のひとつに、DMM 株があります。決済方法や為替手数料などの取り扱いは、ほかの証券会社と同じく公式の取引ルールで確認してから口座を選んでください。

山崎の見解:「ドルで送金すれば手数料がかからない」という勧誘に注意

為替手数料の仕組みを知っておくと、投資詐欺の勧誘にも気づきやすくなります。SNSやマッチングアプリで知り合った相手から「海外の口座にドルで送れば為替手数料がかからない」「日本の証券会社は手数料が高いから、こちらの取引所を使えば得」と誘われるケースがあります。

日本に住む人を相手に株の売買を仲介するには、金融商品取引業の登録が必要です。米国株は日本の登録を受けた証券会社の口座で買えるので、知らない海外業者や個人の口座にお金を送る理由はありません。こうした話が来たら、まず金融庁の登録業者一覧で相手を確認してください。手順は無登録業者の見分け方で、SNS経由の勧誘の断り方はSNSの「投資グループ」に誘導される手口と断り方で整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 円貨決済と外貨決済で、買える株や株価は変わりますか

変わりません。どちらの方法でも、米国の取引所で同じドル建ての値段で売買されます。違うのは、円とドルを交換するタイミングと回数だけです。

Q2. 外貨決済にすれば為替の影響を受けなくなりますか

受けなくなるわけではありません。ドルで持っている株やドル残高は、円で見たときの価値が為替で変わります。最終的に円に戻すときの為替レートによって、円で受け取る金額は増えたり減ったりします。為替の影響の大きさは円高・円安で米国株の資産額はどう変わる?で計算例を出しています。

Q3. NISA口座でも外貨決済は使えますか

NISA口座で米国株を買う場合も、外貨決済に対応している証券会社はあります。ただし、NISA口座で使える決済方法を円貨決済に限っている証券会社もあります。NISAで非課税になるのは株の値上がり益と配当で、売却代金をドルで受け取った後の扱い(ドル残高の為替の動きなど)は別に考える必要があります。NISA口座での取り扱いは、各社の取引ルールで確認してください。

相談先まとめ

投資の勧誘や取引についての不安があるときは、次の窓口が使えます。

  • 消費者ホットライン(188):最寄りの消費生活センターにつながります
  • 警察相談専用電話(#9110):詐欺被害の疑いがあるとき
  • 法テラス:お金を払ってしまった後の法的な相談先を知りたいとき
  • 日本弁護士連合会:各地の弁護士会の法律相談窓口を探したいとき
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室:金融商品取引業者に関する相談・無登録業者の確認

山崎から一言

300万円を失った頃の山崎正義は、株価の動きばかり見て、為替のコストを気にしたことがありませんでした。円貨決済か外貨決済かに「正解」はなく、決め手は自分がどれくらい売買し、ドルを使い続けるかです。まずは取引報告書で、自分が払っている為替のコストを一度確かめてみてください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。本文中の為替手数料の数字は計算のための仮の値です。実際の決済方法・為替手数料・配当の受取通貨は、各証券会社の公式情報でご確認ください(2026年10月時点の一般的な取り扱いを整理したものです)。

米国株は円貨決済と外貨決済どっちで買う?為替手数料がかかるタイミングと、配当・売却代金の受け取り方の違い

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

NEXT STEP

怪しい案件を避けて、安全に始めたい方へ

130件以上の調査経験から、山崎正義が「安全に使える」と判断したサービスと選び方をまとめています。

著者への連絡はこちら

山崎正義のアバター 山崎正義 検証者

実体験に基づく検証で副業詐欺被害者をゼロにする.
みなさんが少しでもいい方向へ一緒に迎える様にサイトを
立ち上げてみました。

目次