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こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、そこから復活する過程で130件以上の案件を調査してきました。「持っている株にTOBが発表されたけれど、どうすればいいのかわからない」という方は、山崎の副業相談室(LINE・無料)に状況を送っていただければ、公表資料の読み方の部分はお手伝いできます。
結論から書きます。持っている株がTOB(株式公開買付け)の対象になったとき、株主が選べるのは「応募する」「市場で売る」「応募も売却もせず持ち続ける」の3つです。どれを選んでも違法でも損が確定するわけでもありませんが、現金が入る時期・かかる手間・税金の扱い・TOBが不成立だったときの影響がそれぞれ違います。そして「持ち続ける」を選んだ場合、TOBの目的が完全子会社化なら、多くのケースで最終的には会社側の手続きによって現金に置き換えられます。
山崎正義は、投資で一発逆転を狙って300万円を失った経験があります。当時の自分に足りなかったのは、「株価が上がる話」ではなく「自分の持ち物に何かが起きたとき、どんな手続きで処理されるか」の知識でした。TOBはまさにそれを学ぶのにちょうどいい題材です。この記事では特定の銘柄に応募すべきかどうかではなく、3つの選択肢それぞれの仕組みを並べて整理します。
結論:TOBの対象になった株主の選択肢は3つ
まず全体像を表にまとめます。
| 選択肢 | 受け取るもの | 現金が入る時期 | 手間 | TOB不成立のとき |
|---|---|---|---|---|
| ① TOBに応募する | 買付価格×応募株数 | 買付期間の終了後、決済開始日以降 | 公開買付代理人の証券会社で手続き(口座がなければ開設や移管が必要) | 株は返還される |
| ② 市場で売る | その時点の市場価格 | 通常の売却と同じ(約定日から数えて2営業日目の受渡日) | いつもの口座で売り注文を出すだけ | すでに売っているので影響なし |
| ③ 何もせず持ち続ける | 目的によって異なる(後述) | 完全子会社化なら数か月後に強制的に現金化されることが多い | 基本的になし | 株主のまま。株価が下がることがある |
ポイントは、「どれが得か」は買付価格と市場価格の差、TOBが成立するかどうか、自分の口座の事情によって変わるということです。以下で順番に見ていきます。売却代金がいつ引き出せるかという話は株を売った代金はいつ引き出せる?受渡日と約定日の違いを営業日の数え方から整理で詳しく扱っています。
すでに申し込んでしまった方、いま勧誘が届いている方へ。山崎の副業相談室(LINE・無料)では、届いているDMや契約の画面を送っていただければ、これまでに調査した事例と照合してお答えしています。返金・解約の進め方も個別にご案内します。友だち追加は無料で、いつでもブロックできます。

そもそもTOB(株式公開買付け)とは
TOB(Take Over Bid)は、ある会社の株を「この価格で、この期間に、これだけ買います」と公に告知して、市場の外で株主から直接買い集める方法です。金融商品取引法で手続きが定められていて、買い手(公開買付者)は公開買付届出書を提出し、条件を公表しなければなりません。
| 公表される主な条件 | 意味 |
|---|---|
| 買付価格 | 1株あたりいくらで買うか。発表前の株価より高く設定される(プレミアム)ことが多い |
| 買付期間 | 応募を受け付ける期間。法令上は20営業日以上60営業日以内 |
| 買付予定数の下限 | これに届かなければTOBは不成立となり、応募された株はすべて返還される |
| 買付予定数の上限 | 上限がある場合、応募が多ければ全部は買い取られない(按分比例) |
| 公開買付代理人 | 応募の窓口になる証券会社 |
| 目的 | 完全子会社化・非公開化(MBOを含む)か、上場を維持したままの資本提携か |
このなかで株主がいちばん最初に確認すべきなのは「目的」と「上限の有無」です。完全子会社化が目的で上限がないTOBと、上場を維持したまま一部だけ買うTOBとでは、応募しなかった株の行き先がまったく違うからです。
選択肢①:TOBに応募する
応募は、公開買付代理人になっている証券会社を通じて行います。ここが最初のつまずきどころです。
代理人の証券会社に口座がないと応募できない
自分が株を預けている証券会社が公開買付代理人でなければ、そのままでは応募できません。代理人の証券会社で口座を開き、株を移管(移し替え)してから応募する必要があります。口座開設と移管には日数がかかるため、買付期間の終わり近くに気づくと間に合わないことがあります。代理人によっては、ほかの証券会社を「復代理人」としてネットから応募できるようにしている場合もあるので、公開買付届出書や公開買付開始公告で確認してください。
応募は期間中なら取り消せる
応募した株主は、買付期間中であれば応募を取り消す(契約を解除する)ことができます。途中で買付価格が引き上げられたり、別の会社が対抗してより高い価格のTOBを出したりすることもあるため、「一度応募したら終わり」ではありません。
応募の税金と、NISA口座で持っている場合
TOBに応募して株を売った場合、基本的には市場で売ったときと同じく上場株式等の譲渡所得として扱われます。ただし、次の2点は例外や口座ごとの差があるので注意が必要です。
- 発行会社自身が自社株を買うTOB(自己株式の公開買付け)では、受け取った金額の一部が「みなし配当」として配当所得の扱いになり、源泉徴収されることがあります。国税庁の「No.1536」でも、発行会社が市場での購入以外の方法で自己株式を取得した場合に株主が受け取る金銭は、みなし配当とされる部分を除いて譲渡所得等の収入金額とみなされると説明されています(2026年10月時点)
- NISA口座の株は他社のNISA口座へ移管できないため、代理人の証券会社のNISA口座で持っていないと、NISAのまま応募する手段が限られます
税金の基本的な仕組みは株の税金入門|特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告は不要?例外もやさしく整理を参照してください。
選択肢②:市場で売る
TOBが発表されると、その株の市場価格は買付価格のすぐ近くまで寄っていくのが一般的です。ただ、買付価格ちょうどではなく、少し下で取引されることが多くなります。TOBが不成立になる可能性や、応募代金が入るまでの時間の分だけ、市場が割り引いて値段をつけるためです。
| 比べる点 | 応募する | 市場で売る |
|---|---|---|
| 受け取る価格 | 買付価格で確定 | その時点の市場価格(買付価格より少し低いことが多い) |
| 現金化の早さ | 買付期間終了後 | 約定の2営業日後 |
| 手続き | 代理人の口座が必要 | いつもの口座のまま |
| 不成立のリスク | 株が戻り、株価が下がっていることがある | 売ったあとなので関係ない |
| 価格引き上げの可能性 | 引き上げ後の価格で買い取られる | 売ったあとの上昇は受け取れない |
市場で売る場合の差額は、1株あたりで見るとわずかなことも多いです。手間と時間をかけて数円〜数十円の差を取りにいくか、すぐに現金化して終わらせるかは、保有株数と自分の状況で判断が変わります。どちらが正解ということはありません。売り注文の出し方は株の注文方法の基本|成行注文と指値注文の使い分けをやさしく解説が参考になります。
選択肢③:応募も売却もしなかった場合にどうなるか
ここがいちばん質問の多いところです。答えはTOBの目的と結果によって3つに分かれます。
| ケース | 応募しなかった株の行き先 |
|---|---|
| 完全子会社化・非公開化が目的でTOBが成立 | その後のスクイーズアウトで、強制的に現金に置き換えられるのが一般的。上場は廃止される |
| 上限付き(上場維持型)でTOBが成立 | 株主のまま。上場も続く。ただし支配株主が変わり、株価が下がることもある |
| TOBが不成立 | 株主のまま。TOB価格を前提にしていた株価が下がることがある |
完全子会社化が目的なら「スクイーズアウト」で現金化される
買い手が100%の株を取得したい場合、TOBで集めきれなかった株は、その後の手続きで少数株主から強制的に取得されます。これをスクイーズアウトと呼びます。主な方法は次の2つです。
- 特別支配株主の株式等売渡請求:買い手が議決権の90%以上を持った場合、株主総会を開かずに残りの株主へ売り渡しを請求できます
- 株式併合:株主総会の特別決議(3分の2以上の賛成)で、たとえば「数十万株を1株にまとめる」ような併合を行い、少数株主の持ち分を1株未満の端数にして現金で精算します
どちらの場合も、支払われる金額はTOBの買付価格と同じ水準に設定されることが一般的です。つまり、何もしなくても最終的には現金になるケースが多いのですが、入金はTOBに応募した人より数か月遅くなります。株式併合の仕組みそのものは株式分割・株式併合とは?保有株はどうなる|株数・株価・配当への影響を整理で整理しています。
価格に納得できない株主には、裁判所に価格の決定を申し立てる手続きも用意されています。ただし弁護士費用や時間がかかるため、個人の少額保有者が現実的に使う場面は多くありません。上場廃止までの流れ全体は上場廃止になった株はどうなる?監理銘柄・整理銘柄の流れと、理由ごとに変わる結末で扱っています。
上限付きのTOBなら、応募しても全部は売れないことがある
上場を維持したまま一定割合だけ取得したいTOBでは、買付予定数に上限が設定されます。応募が上限を超えた場合は按分比例となり、応募した株の一部だけが買い取られ、残りは返還されます。「全部売れると思って応募したら、半分戻ってきた」ということが起きうるので、上限の有無は必ず確認しましょう。
TOBが不成立になると株価が戻ることがある
応募が買付予定数の下限に届かなかった場合、TOBは不成立となり、応募した株もすべて返還されます。TOBの発表で上がっていた株価は、その前提がなくなるため下がることがあります。「応募しておけば安心」でも「市場で売れば安心」でもなく、不成立の可能性まで含めて考える必要があるのはこのためです。
TOBを知ったら確認する5つのこと
| 確認すること | どこで見るか |
|---|---|
| 1. 目的(完全子会社化か、上場維持か) | 公開買付届出書、発行会社の「意見表明」の開示 |
| 2. 買付価格と期間 | 公開買付開始公告、TDnet・EDINETの開示資料 |
| 3. 下限・上限の有無 | 公開買付届出書 |
| 4. 公開買付代理人(応募の窓口) | 公開買付開始公告、自分の証券会社からのお知らせ |
| 5. 発行会社が賛同しているか | 発行会社の意見表明報告書 |
発行会社が「賛同し、応募を推奨する」と表明しているか、「中立」や「反対」を表明しているかで、TOBの成否の見通しは大きく変わります。判断材料は、ニュースの見出しではなくこれらの一次資料です。また、TOBの発表後は期末配当を出さない方針に変わることもあるため、配当目的で持っている方は発行会社の配当予想の修正も確認しておくと安心です。
TOBをめぐる詐欺・勧誘に注意
TOBは「発表前に知っていれば儲かる」話として語られやすく、詐欺の題材にもなります。山崎正義が調査してきた投資詐欺の勧誘でも、次のような文言は典型的なパターンです。
- 「来週TOBが発表される銘柄を会員だけに教える」
- 「上場廃止になる株を、TOB価格より高く買い取る」
- 「TOB関連の未公開情報を扱う投資グループに招待する」
本当に未公表のTOB情報を知っていて売買すれば、それ自体がインサイダー取引という違法行為になりえます。そもそもそうした情報を無関係な個人に配る正規の業者はいません。「TOB情報」を売り文句にする勧誘は、その時点で相手にしないのが安全です。手口の見分け方は投資詐欺の典型手口と見分け方|「絶対儲かる株情報」が届いたときの確認手順で、相手の業者登録の確かめ方は無登録業者の見分け方|金融庁の登録一覧で「商号・登録番号・業務の種類」を確かめる4ステップで整理しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. TOBに応募しないと損をしますか
必ずしも損にはなりません。完全子会社化が目的なら、その後のスクイーズアウトで買付価格と同じ水準の現金を受け取るのが一般的です。ただし入金が数か月遅くなることと、TOBが不成立になった場合は株主のまま残る点は理解しておく必要があります。
Q2. 単元未満株(ミニ株)でもTOBに応募できますか
証券会社によって扱いが異なります。単元未満株は応募を受け付けていない証券会社もあります。応募できない場合でも、完全子会社化が目的のTOBなら、その後の手続きで現金化されるのが一般的です。まずは保有している証券会社の案内を確認してください。
Q3. TOB価格より市場価格が高くなっているのはなぜですか
市場が「買付価格が引き上げられる」「対抗するTOBが出る」と予想している場合に起きることがあります。ただし予想どおりになる保証はなく、引き上げがなければ買付価格に近い水準へ戻る可能性もあります。
Q4. 応募した代金はいつ受け取れますか
買付期間が終わったあと、公開買付届出書に記載された「決済の開始日」以降に、代理人の証券会社の口座へ入金されます。市場で売る場合より時間がかかると考えておきましょう。
Q5. 「持っているTOB銘柄を高く買い取る」と電話がありました
応じないでください。TOBの応募は公開買付代理人の証券会社を通じて行うもので、個別に電話で買取りを持ちかけられる仕組みではありません。相手の名前と連絡先を控え、金融庁の登録業者一覧で確認したうえで、消費者ホットライン(188)などに相談してください。
相談先まとめ
- 消費者ホットライン(188):最寄りの消費生活センターにつながります
- 警察相談専用電話(#9110):詐欺被害の疑いがあるとき
- 法テラス:法的手続きの案内・弁護士費用の立替相談
- 日本弁護士連合会:各地の弁護士会の相談窓口
- 金融庁 金融サービス利用者相談室:金融商品取引業者に関する相談・無登録業者の確認
山崎から一言
TOBのニュースは「株価が急上昇」という見出しで伝わりがちですが、株主にとって大事なのは、そのあと自分の株がどんな手続きで処理されるかです。応募するか、市場で売るか、持ち続けるか。どれを選んでも構いませんが、目的・上限・代理人の3つを公開資料で確認してから決めることだけは省かないでください。山崎正義が300万円を失ったときに欠けていたのも、こうした「手続きを確かめる一手間」でした。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。公開買付けの制度・スクイーズアウトの手続き・税制上の取り扱いは変更されることがあるため、最新の内容は金融庁、日本取引所グループ、国税庁および各証券会社の公式情報でご確認ください。
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