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こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、そこから復活する過程で130件以上の案件を調査してきました。「退職したら、会社の確定拠出年金から書類が届いたけれど何をすればいいかわからない」「退職を機に年金資産の運用を勧められた」という方は、山崎の副業相談室(LINE・無料)に状況を送っていただければ、書類の読み方や勧誘の見分け方はお手伝いできます。
結論から書きます。会社の企業型DC(企業型確定拠出年金)に入っていた人が転職・退職すると、積み立てた年金資産は「次の置き場所」へ自分で移す手続きが必要です。置き場所は主に「転職先の企業型DC」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「通算企業年金」の3つで、資格を失った月の翌月から数えて6か月以内に手続きをしないと、資産は現金化されて国民年金基金連合会へ自動移換されます。自動移換されると、手数料が差し引かれ続けるうえに運用もされず、60歳から受け取るための加入期間にも数えられません。
山崎正義は、投資で一発逆転を狙って300万円を失った経験があります。振り返ると、派手な投資話には飛びついたのに、足元の「自分の年金がどこにあるか」は把握していませんでした。この記事では、特定の金融機関や商品を勧めるのではなく、転職・退職したときに確定拠出年金がどうなるか、何をいつまでにやるかを順番に整理します。
結論:転職・退職後の企業型DCは「6か月以内に移換先を決める」
まず全体像です。転職・退職後の状況ごとに、主な移換先をまとめます。
| 退職後の状況 | 主な移換先 | ポイント |
|---|---|---|
| 転職先に企業型DCがある | 転職先の企業型DC | 転職先の担当部署経由で手続きすることが多い |
| 転職先に企業型DCがない(会社員・公務員) | iDeCo | iDeCoで掛金を出すか、運用だけ続けるか(運用指図者)を選ぶ |
| 自営業・フリーランスになる | iDeCo | 国民年金の第1号被保険者として加入区分が変わる |
| 専業主婦(夫)になる | iDeCo | 第3号被保険者として加入できる |
| 転職先に確定給付企業年金(DB)がある | 転職先のDB(規約で受け入れている場合) | 受け入れの可否は転職先の規約しだい |
| いずれも選びたくない | 通算企業年金(企業年金連合会) | 条件を満たす場合に選べる |
企業年金連合会の案内によると、企業型DCから企業年金連合会(通算企業年金)への移換は、令和4年(2022年)5月1日以降に企業型DCの加入資格を喪失した人が対象で、資格を喪失した日の翌月から6か月後の月末までに申し出る必要があります。60歳以上で資格を喪失して企業型の運用指図者となった人など、一部は対象外です(2026年10月時点)。
どこへ移すにしても、「退職したら、6か月以内に移換先を決めて手続きする」という点は共通です。会社を辞めるときは健康保険や住民税の手続きに気を取られがちですが、確定拠出年金は本人が動かないと何も進まないことを覚えておいてください。
すでに申し込んでしまった方、いま勧誘が届いている方へ。山崎の副業相談室(LINE・無料)では、届いているDMや契約の画面を送っていただければ、これまでに調査した事例と照合してお答えしています。返金・解約の進め方も個別にご案内します。友だち追加は無料で、いつでもブロックできます。

そもそも企業型DCとiDeCoはどう違うのか
どちらも「確定拠出年金法」にもとづく制度で、掛金を自分で選んだ商品で運用し、原則60歳以降に受け取る点は同じです。違いは主に「誰が掛金を出すか」と「誰の制度か」です。
| 項目 | 企業型DC | iDeCo |
|---|---|---|
| 制度の持ち主 | 勤め先の会社 | 個人(国民年金基金連合会が実施) |
| 掛金を出す人 | 原則として会社(本人の上乗せ=マッチング拠出がある場合も) | 本人 |
| 口座を開く先 | 会社が選んだ運営管理機関 | 本人が選んだ金融機関(運営管理機関) |
| 退職すると | 加入資格を失い、資産の移換が必要 | 加入を続けられる(加入区分の変更届が必要) |
| 引き出し | どちらも原則60歳まで引き出せない | |
企業型DCは会社の制度なので、会社を辞めれば加入者でいられなくなります。一方、iDeCoは個人の制度なので、転職しても口座はそのまま使い続けられます。この違いが、転職時にやることの違いになります。iDeCoそのものの性質はiDeCoとNISAは何が違う?60歳まで引き出せない代わりに変わる3つのことで詳しく整理しています。
放置するとどうなる?自動移換の仕組みとデメリット
企業型DCの加入資格を失った月の翌月から数えて6か月以内に移換の手続きをしないと、資産は現金化されたうえで国民年金基金連合会へ自動的に移されます。これが「自動移換」です。自動移換されると、次のような不利が生じます。
| デメリット | 内容 |
|---|---|
| 手数料がかかる | 自動移換されるときに手数料が差し引かれ、その後も毎月の管理手数料が資産から引かれ続ける |
| 運用されない | 現金のまま管理されるので、増えることはなく、手数料の分だけ減っていく |
| 加入期間に数えられない | 自動移換されていた期間は、60歳からの受け取りに必要な「通算加入者等期間」に含まれない |
| 受け取りが遅れることがある | 通算加入者等期間が10年に満たないと、受け取り開始が60歳より後にずれる |
| あとで移すときも手数料 | 自動移換後にiDeCoなどへ移すと、そのときにも手数料がかかる |
手数料の目安として、国民年金基金連合会の案内(2026年10月時点)では、自動移換時に計4,348円、自動移換された月の翌月から数えて4か月目以降は月98円、その後iDeCoなどへ移すときに550円などが示されています。
内訳はiDeCo公式サイトの「転職・退職された方へ」で確認できます。2026年4月1日の改定後、自動移換時は特定運営管理機関3,300円+国民年金基金連合会1,048円、自動移換中の管理手数料は月58円+月40円(自動移換された月の4か月後から)、iDeCoへ移すときは特定運営管理機関の550円に加えて国民年金基金連合会の2,829円、脱退一時金などを受け取るときは4,180円です(2026年10月時点)。
金額だけを見ると小さく感じるかもしれませんが、運用されずに毎月減り続ける状態が何年も続くのが問題です。実際、自動移換されたまま本人が気づいていない資産は少なくないと言われています。退職時の書類を開封せずにしまい込んでしまった心当たりがある方は、一度確認してみてください。
すでにiDeCoの口座を持っている人の扱い
企業型DCの資格を失った時点で、すでにiDeCoの加入者または運用指図者になっている場合は、期限内に手続きをしなくても、国民年金基金連合会への自動移換ではなく、持っているiDeCo口座へ資産が移る取り扱いがあります。ただし、自分で移換先を選んで手続きするのが基本であることに変わりはないので、心当たりがある人も一度は加入先に確認しておくと安心です。
この取り扱いは2018年5月1日施行の確定拠出年金法の改正で定められたもので、資格喪失から6か月以内に移換の申出をしない場合、iDeCoの加入者または運用指図者の資格を持っていれば、そのiDeCoへ資産が自動的に移換されます(厚生労働省「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律の主な概要」)(2026年10月時点)。
移換の手続きの流れ(iDeCoへ移す場合)
転職先に企業型DCがない場合、多くの人はiDeCoへ移すことになります。一般的な流れは次のとおりです。
| 手順 | やること | 確認するもの |
|---|---|---|
| ① 資格喪失の確認 | 前の会社の運営管理機関から届く通知で、資格喪失日と資産額を確認する | 資格喪失の通知・加入者口座番号 |
| ② 移換先の金融機関を選ぶ | iDeCoを取り扱う金融機関を比較して選ぶ | 運営管理手数料・商品ラインナップ |
| ③ 書類を取り寄せて提出 | 移換の申出書(掛金を出すなら加入申出書も)を提出する | 基礎年金番号・転職先の事業所情報 |
| ④ 移換の完了 | 資産はいったん現金化されて移される(数か月かかることがある) | 移換完了の通知 |
| ⑤ 運用商品を選ぶ | 移ってきた資産と今後の掛金をどの商品で運用するか指定する | 運用指図をしないと初期設定の商品になることがある |
見落としやすいのが④の「いったん現金化される」点です。移換のあいだは運用されない期間があるため、その間の相場の動きは反映されません。また、⑤で運用商品を指定しないと、金融機関の初期設定(元本確保型など)のままになることがあるので、移換完了の通知が届いたら中身を確認しましょう。
移換先の金融機関を選ぶときに見る場所
- 口座管理手数料:運営管理機関の手数料が無料でも、国民年金基金連合会や事務委託先金融機関(信託銀行)の手数料は別にかかります。「手数料無料」という表示だけで判断しないでください
- 商品ラインナップ:元本確保型(定期預金・保険)と投資信託のどちらが、どれくらいそろっているか。投資信託なら信託報酬も確認します
- サポート体制:電話窓口の有無、Webでの手続きのしやすさ
iDeCo公式サイトのよくあるご質問によると、国民年金基金連合会の手数料は、新規加入や資産の移換時に2,829円(初回のみ)、加入者は掛金を納めるたびに105円です。運営管理機関と事務委託先金融機関(信託銀行)の手数料は機関ごとに異なるため、運営管理機関に確認してください(2026年10月時点)。
転職先でも掛金を出すなら:加入区分と掛金の上限
iDeCoへ移したあと、掛金を出して積み立てを続ける(加入者になる)か、掛金は出さずに運用だけ続ける(運用指図者になる)かを選べます。掛金を出す場合は、転職後の働き方によって掛金の上限が変わる点に注意が必要です。
現行の制度では、会社員でも「勤め先に企業年金があるか」「企業型DCがあるか」で上限が変わり、自営業・フリーランス(第1号被保険者)や専業主婦(夫)(第3号被保険者)はまた別の上限です。さらに、2026年12月の掛金分(2027年1月の引き落とし分)から、会社員などの掛金上限を引き上げる制度改正が予定されています。
厚生労働省の「iDeCoの概要」と「2025年の制度改正」によると、加入区分ごとの掛金上限(月額)は次のとおりです(2026年10月時点)。
| 加入区分 | 現行の上限 | 2026年12月1日施行予定の改正後 |
|---|---|---|
| 自営業・フリーランスなど(第1号) | 68,000円(国民年金基金の掛金・付加保険料と合算) | 75,000円(国民年金基金との共通の上限) |
| 会社員(企業年金等なし) | 23,000円 | 62,000円(企業年金と共通の上限に一本化) |
| 会社員・公務員(企業年金等あり) | 20,000円(企業型DCの事業主掛金・他制度掛金相当額との合計が55,000円以内) | 企業年金等と合計して62,000円以内 |
| 専業主婦(夫)(第3号) | 23,000円 | 改正ページに引き上げの記載なし |
あわせて加入可能年齢も2026年12月1日から引き上げられる予定で、国民年金の被保険者でない60歳以上70歳未満の人でも、iDeCoの加入者・運用指図者や企業年金からiDeCoへ資産を移す人で、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していないなどの要件を満たせば、iDeCoに加入できるようになります。
すでにiDeCoに加入している人が転職した場合も、勤め先の情報が変わるので、加入区分や事業所の変更届を出す必要があります。これを出さないと掛金の引き落としが止まったり、上限を超えた掛金が還付扱いになったりすることがあります。
60歳前に引き出せる?脱退一時金の条件
「転職するし、少額なので引き出してしまいたい」と考える人もいますが、確定拠出年金は原則60歳まで引き出せません。例外として「脱退一時金」を受け取れる場合がありますが、条件はかなり限られています。
- 60歳未満であること
- 企業型DCの加入者でないこと
- iDeCoに加入できない、または掛金を出していた期間が短い・資産額が少ないなど、定められた要件を満たすこと
厚生労働省の「iDeCoの概要」では、iDeCoの脱退一時金を受け取るには、60歳未満であること、企業型DC加入者でないこと、iDeCoに加入できない者であること、掛金を拠出した期間が5年以下または資産額が25万円以下であること、最後に資格を喪失した日から2年を経過していないことなど、7つの要件すべてを満たす必要があるとしています(2026年10月時点)。企業型DCからの脱退一時金の要件は、加入していた企業型DCの運営管理機関に確認してください。
会社員として転職する人や、自営業になる人の多くはiDeCoに加入できるため、「転職したから引き出せる」とは考えないほうが安全です。当面の生活費が必要な場合は、確定拠出年金ではなく、預金など引き出せるお金で備えることを考えましょう。
「退職金・年金をまとめて運用しませんか」という勧誘に注意
転職・退職のタイミングは、手続きが多く判断が雑になりやすい時期です。山崎正義が調べてきた相談のなかにも、退職をきっかけに「年金資産をもっと増やせる運用先がある」「今なら特別な枠がある」と持ちかけられた例があります。
- 確定拠出年金の資産は、制度の外にある投資商品へ直接移せません。移せるのは企業型DC・iDeCo・通算企業年金など、制度で決められた先だけです
- 「DCの資産をいったん引き出して、こちらで運用しましょう」という話は、制度上できないことを前提にしている時点で疑ってください
- 勧誘してきた業者名は、金融庁の登録業者一覧で確認できます。確認のしかたは無登録業者の見分け方|金融庁の登録一覧で「商号・登録番号・業務の種類」を確かめる4ステップにまとめています
退職金や貯金の運用を考えるときも、まずは株式投資の始め方ロードマップのように全体の順番を押さえてから判断するのがおすすめです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 自分の年金資産がどこにあるかわかりません
前の会社の運営管理機関(記録関連運営管理機関)に問い合わせると確認できます。自動移換されているかどうかは、国民年金基金連合会や、企業年金連合会の窓口でも照会できます。基礎年金番号を手元に用意しておくとスムーズです。
Q2. すでに自動移換されてしまいました。もう戻せませんか
戻せます。iDeCoや転職先の企業型DCへあらためて移換の手続きをすれば、自動移換の状態は解消できます。ただし、自動移換されていた期間は通算加入者等期間に数えられず、移すときにも手数料がかかるので、気づいた時点で早めに手続きするのが得策です。
Q3. 転職先に企業型DCがあるのに、iDeCoへ移すことはできますか
可能な場合があります。転職先の企業型DCの規約や、iDeCoとの併用ができるかどうかによって選択肢が変わるので、転職先の担当部署に確認してください。
Q4. 移換にはどれくらい時間がかかりますか
書類の提出から移換の完了までは、数か月かかることが一般的です。その間は資産が現金化されて運用されないため、退職が決まったら早めに準備を始めると、6か月の期限にも余裕を持って間に合います。
Q5. 退職時に「脱退一時金を受け取れる」と言われましたが本当ですか
条件を満たす人だけが受け取れる例外です。会社員として転職する人や、自営業・専業主婦(夫)になる人の多くはiDeCoに加入できるため、対象外になることがあります。判断する前に、運営管理機関に自分が要件を満たすか確認してください。
相談先まとめ
- 前の会社の人事・総務部門:資格喪失日や運営管理機関の確認
- 国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト):iDeCoの加入・移換・自動移換の照会
- 企業年金連合会:通算企業年金や、過去の企業年金の記録の照会
- 消費者ホットライン(188):退職金・年金の運用をめぐる勧誘トラブル
- 金融庁 金融サービス利用者相談室:金融商品取引業者に関する相談・無登録業者の確認
山崎から一言
転職は人生の大きな節目ですが、確定拠出年金の手続きは「期限つきの小さな宿題」です。6か月を過ぎても罰則があるわけではありませんが、手数料が引かれ続け、運用も止まり、受け取りが遅れることさえあります。退職が決まったら、資格喪失の通知・移換先・運用商品の3つを確認する。山崎正義が300万円を失った頃に欠けていたのは、こうした足元の確認でした。派手な儲け話より先に、自分のお金がいまどこにあるかを把握することから始めてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。確定拠出年金の制度・手数料・掛金の上限は変更されることがあるため、最新の内容は厚生労働省、国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)、企業年金連合会および各運営管理機関の公式情報でご確認ください。
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