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こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、そこから復活する過程で130件以上の案件を調査してきました。
「在庫を持たずに物販ができる」という話を聞いて、ドロップシッピングと無在庫転売のどちらを調べればいいのか迷っている方は多いと思います。先に答えると、2つの違いは「仕入れ先と販売の契約を結んでいるか」と「売る場所の規約が認めているか」です。仕入れ先と取り決めをして、自分の名前で売り、返品まで自分で受ける形のドロップシッピングは、売る場所によっては認められています。一方、注文が入ってから他の通販サイトで買って購入者へ直接送らせる形は、メルカリやYahoo!オークションでは規約で禁止されています。
この記事では、メルカリのヘルプセンター、Amazonの出品者向けポリシー、特定商取引法(消費者庁「特定商取引法ガイド」)をもとに、規約違反になる形・ならない形と、始める前に確かめることを整理します。
結論:ドロップシッピングとはどんな副業か
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| どんな仕事? | 自分のネットショップや出品ページで商品を売り、注文が入ったら契約している仕入れ先(メーカー・卸)から購入者へ発送してもらう。お金は購入者から受け取る |
| どのくらい稼げる? | 公的な統計は無い。売値から仕入れ値・手数料・広告費・返品の損失を引いた額が残る(計算は本文で) |
| 始めるのに必要なもの | 販売の場(自分のショップか、ドロップシッピングを認めるモール)と、直送に対応する仕入れ先との取り決め。特定商取引法の表示 |
| 気をつける点 | 「注文が来てから他の通販サイトで買って直送させる」形は、メルカリ・Yahoo!オークションでは禁止。売る場所の規約を先に読む |
山崎正義が8年間で見てきた物販の失敗は、「在庫を持たない=リスクが無い」と思い込んだところから始まるものが多いです。在庫のリスクが消える代わりに、規約違反でアカウントを止められるリスクと、届かない・遅れるときの責任が自分に残ります。
ドロップシッピングと無在庫転売の違い
どちらも「自分の手元に商品を置かずに売る」点は同じです。違うのは、仕入れ先との関係と、購入者から見た売り手が誰になるかです。
| 比べる点 | ドロップシッピング(契約型) | 無在庫転売 |
|---|---|---|
| 仕入れ先 | 直送に応じることを取り決めたメーカー・卸 | 注文が入ってから一般の通販サイト・他の出品者で買う |
| 発送する人 | 仕入れ先(自分の名前で発送してもらう) | 通販サイトが購入者の住所へ直接送る |
| 購入者から見た売り手 | 自分 | 自分のはずが、箱や納品書に別の店の名前が出る |
| 在庫の確認 | 仕入れ先の在庫情報で確認できる | 他人の在庫なので、売れたあとに品切れになることがある |
| メルカリ・Yahoo!オークション | 手元に無い商品なので出品できない | 禁止 |
| 自分のネットショップ | 仕入れ先との契約があれば成り立つ | 仕入れ元の通販サイトの規約(転売目的の購入の禁止など)に触れることがある |
ポイントは、「ドロップシッピング」という言葉が付いていれば認められるわけではないことです。実際には無在庫転売の形なのに「ドロップシッピング」と呼んで勧誘する講座もあります。名前ではなく、上の表のどちらの形かで判断してください。
規約違反になる形:メルカリ・Yahoo!オークション・Amazon
メルカリ:手元にない商品の出品と、ECサイトからの直送は禁止
メルカリのヘルプセンターは、「禁止されている行為・出品物」の1つとして、出品者の手元にない商品の出品を禁止しています。理由として、商品についての質問に答えられない、配送できない、遅れるといったトラブルを防ぐためと説明しています(2026年10月時点)。
| メルカリが禁止の例として挙げているもの |
|---|
| 出品時に手元にない商品を販売すること |
| 発売前・公開前の商品を、予約や取り寄せで販売すること |
| ECサイトなどメルカリ以外のサービス(海外を含む)から、購入者の住所へ直接配送させること |
| 配送代行サービスを使うこと |
事務局が禁止行為に当たると判断した場合は、取引のキャンセル、商品の削除、利用制限などの措置を取ることがあるとされています。メルカリで受け取った購入者の名前や住所を、メルカリの外(他の通販サイトの配送先など)で使うことも、別のガイドで禁止されています。無在庫転売は、この2つのルールに同時に触れやすい形です。
Yahoo!オークション:現物が手元にない出品は禁止
Yahoo!オークションも、ガイドライン細則で、現物が手元にない状態での出品(落札後に発注・取り寄せするものを含む)を禁止しています。発売日前の商品の出品も、現物を持っていても禁止です。最新の文言は、LINEヤフーの「Yahoo!オークション ガイドライン」で確認してください。
Amazon:条件を満たすドロップシッピングだけが認められる
Amazonは、出品者向けのヘルプに「ドロップシッピングポリシー」を置き、第三者に発送させる形を条件つきで認めています。条件の柱は次の3つです(全文はセラーセントラルにログインして確認)。
| 条件 | 中身 |
|---|---|
| 自分が販売者であること | 梱包票・請求書・外箱などで、販売者として自分だけが表示される |
| 第三者の名前を出さない | 発送前に、仕入れ先を示す表示を取り除く |
| 返品を自分で受ける | 購入者からの返品の受付と処理を自分が行う |
反対に、他のオンライン小売業者から商品を買い、その小売業者から購入者へ直接送らせる形は認められていません。箱や納品書に別の店の名前が出る無在庫転売は、この禁止にそのまま当たります。違反すると出品の権限を止められることがあるので、Amazonで物販をする方は手数料の計算と合わせて確認してください。手数料の考え方はAmazonせどりは1個売るといくら残る?手取りの計算で整理しています。

注意:規約は予告なく変わります。「前は大丈夫だった」は通りません。売る場所のヘルプページを、出品を始める前と、扱う商品を増やすたびに読み直してください。
規約違反にならない形:契約型ドロップシッピングの条件
規約上問題になりにくいのは、次の条件をそろえた形です。1つでも欠けると、無在庫転売に近づきます。
| 確認すること | なぜ必要か |
|---|---|
| 売る場所の規約が、第三者からの発送を認めている | メルカリ・Yahoo!オークションのように、手元にない商品を出せない場所では成り立たない |
| 仕入れ先と、直送・転売を前提にした取り決めがある | 一般の通販サイトで買う形では、仕入れ元の規約にも触れることがある |
| 購入者に見える販売者が自分だけ | Amazonのポリシーの条件。購入者の混乱を防ぐ |
| 在庫・発送日数を仕入れ先から確かめられる | 売れたのに送れない状態を避ける |
| 返品・問い合わせを自分が受ける体制がある | 購入者との契約の相手は自分。仕入れ先のせいにできない |
| 特定商取引法の表示をしている | ネットで売るなら事業者名・住所・電話番号・返品の条件などの表示が必要(次の章) |
自分のネットショップ(BASEやShopifyなど)で売る場合は、ショップを作るサービスの利用規約と、仕入れ先の取引条件の両方を確認します。ショップ作成サービス自体が禁止していなくても、仕入れ先が転売を認めていなければ成り立ちません。
ネットで売るなら特定商取引法の表示が要る
在庫を持つかどうかに関係なく、ネットで商品を売ると特定商取引法の「通信販売」に当たります。消費者庁の「特定商取引法ガイド」で確かめられる主な決まりは次のとおりです。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 広告の表示(第11条) | 販売価格(送料を含む)、代金の支払時期・方法、商品の引渡時期、返品の条件(返品特約)、事業者の氏名・住所・電話番号などを表示する |
| 誇大広告の禁止(第12条) | 事実と著しく異なる表示や、実際より著しく有利と誤認させる表示をしてはならない |
| 前払式の承諾等の通知(第13条) | 代金を先に受け取り、引き渡しに時間がかかる場合は、承諾の有無・受け取った金額・引渡時期などを書面で知らせる(遅滞なく=おおむね1週間程度) |
| 返品の原則(第15条の3) | 返品特約を表示していなければ、受け取った日から8日以内は返品できる(送料は購入者負担) |
ドロップシッピングは仕入れ先から発送するので、「引渡時期」を仕入れ先の発送日数に合わせて正しく書くことが特に大事です。「即日発送」と書いて実際は2週間かかるような表示は、誇大広告や購入者とのトラブルにつながります。
どのくらい稼げる?手取りの計算式
ドロップシッピングの収入について、公的な統計はありません。1件あたりに残る額は次の式で考えます。
手取り = 売値 −(仕入れ値 + 仕入れ先への送料・手数料 + 販売手数料・決済手数料 + 広告費 + 返品・未着の損失)
仮の数字で計算すると
次は説明のための仮の数字です。実際の手数料は、使う販売サービスの公式ページで確かめてください。
| 項目 | 金額(仮) |
|---|---|
| 売値 | 3,000円 |
| 仕入れ値(送料込み) | 1,900円 |
| 販売・決済の手数料(売値の10%と仮定) | 300円 |
| 広告費(1件売るのに使った額) | 400円 |
| 残る額 | 400円 |
この例で1件の注文対応(受注確認・仕入れ先への発注・問い合わせ)に20分かかるなら、時給に直すと400円÷20分×60分=1,200円です。広告費が倍になる、返品が10件に1件出る、といった条件が重なると、すぐにゼロやマイナスになります。在庫が無い分、1件あたりの取り分は薄くなりやすいと考えておいてください。
始め方:売る場所を決めてから仕入れ先を探す
| 順番 | やること | 確かめること |
|---|---|---|
| 1 | 売る場所を決める | 第三者からの発送を認めているか(メルカリ・Yahoo!オークションは不可) |
| 2 | 扱う商品を決める | 法律の手続きが要る商品(電気製品・食品・化粧品など)を避ける |
| 3 | 直送に応じる仕入れ先を探す | 転売・直送を認める取引条件か、発送日数、返品の扱い |
| 4 | 特定商取引法の表示を作る | 引渡時期・返品特約・連絡先 |
| 5 | 少ない品数で試す | 実際の発送日数と、問い合わせ対応にかかる時間を測る |
| 6 | 売上と経費を記録する | 仕入れ・手数料・広告費を1件ずつ残す |
海外の仕入れ先から直送する場合は、商品ごとの法律(PSEマーク・食品衛生法・薬機法)にも注意が要ります。詳しくは輸入転売で売ってはいけない商品で整理しています。
こんな「無在庫物販」の募集には申し込まない
消費者庁と国民生活センターは、2009年にドロップシッピングやアフィリエイトの相談が増えたことを受けて注意喚起をしています。今でも、SNSや動画広告で「在庫ゼロ・リスクゼロで月◯万円」とうたう物販講座は形を変えて出てきます。山崎正義の調査では、次の特徴がそろう募集は、物販そのものより講座やツールの代金で利益を出している可能性があります。
| 募集の特徴 | 確認すること |
|---|---|
| 「在庫を持たないからリスクゼロ」 | 規約違反でアカウントが止まるリスクと、未着・返品の責任の説明があるか |
| 出品作業をツールで自動化して大量に出す | その出し方を、売る場所の規約が認めているか |
| メルカリ・Yahoo!オークションでの無在庫販売を教える | 両サービスとも禁止している形ではないか |
| 料金は個別面談で初めて提示される | 総額・分割手数料・解約条件が書面で出てくるか |
実際に「無在庫物販」をうたう案件を調べた例として、株式会社グランヴィアのAmazon無在庫物販の検証があります。応募する前に安全な副業の探し方のチェック項目も見ておいてください。
税金と会社への届出
ドロップシッピングの所得は、売上から仕入れ値・手数料・広告費などの経費を引いた額です。会社員なら、副業の所得が年20万円を超えると所得税の確定申告が必要で、20万円以下でも住民税の申告は必要です。詳しくは副業の確定申告入門|「20万円ルール」の正しい意味を、勤務先に伝わる経路は住民税を普通徴収にしても副業が会社にバレる5つのケースを参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. メルカリで、注文が入ってからAmazonで買って直送させるのは違反ですか?
メルカリのヘルプセンターは、手元にない商品の出品と、ECサイトなどから購入者の住所へ直接配送させることを、禁止されている行為として挙げています。取引のキャンセルや利用制限の対象になり得ます。
Q2. 自分のネットショップならドロップシッピングをしてもいいですか?
ショップを作るサービスの規約と、仕入れ先の取引条件の両方が認めていれば成り立ちます。そのうえで特定商取引法の表示(事業者名・住所・電話番号・引渡時期・返品の条件など)が必要です。
Q3. Amazonではドロップシッピングが認められていますか?
Amazonのドロップシッピングポリシーは、自分が販売者として表示され、仕入れ先の名前を出さず、返品を自分で受けることを条件にしています。他のオンライン小売業者から買って直送させる形は認められていません。
Q4. 予約販売なら無在庫でも大丈夫ですか?
メルカリは発売前・公開前の商品を予約や取り寄せで売ることを禁止の例に挙げ、Yahoo!オークションも発売日前の出品を禁止しています。フリマ・オークションでの予約販売はできないと考えてください。
Q5. 古物商許可は必要ですか?
メーカーや卸から新品を仕入れて売るだけなら、一般には古物商許可の対象になりにくいとされます。中古品や、一度消費者の手に渡った品物を仕入れる場合は必要になることがあります。判断の目安はせどりと転売の違いと、違法になる5つのケースで整理しています。最終的には住所地の警察署(防犯係)に確認してください。
まとめ
- ドロップシッピングと無在庫転売の違いは、仕入れ先との取り決めがあるか、購入者に見える販売者が自分だけか
- メルカリ・Yahoo!オークションは、手元にない商品の出品を禁止している
- Amazonは、販売者の表示・第三者の名前を出さない・返品を自分で受ける条件を満たす形だけを認めている
- ネットで売るなら、在庫の有無にかかわらず特定商取引法の表示が必要
- 「在庫ゼロ・リスクゼロ」をうたう講座は、規約違反の形を教えていないか確かめる
次に読むなら、フリマで不用品から物販を始める手順をまとめたメルカリ物販の始め方と仕入れで失敗しないコツがおすすめです。
※本記事は2026年10月時点で各サービスの公式ヘルプ・消費者庁の公表資料を確認した内容をもとにした一般的な情報です。規約や法令の運用は変わることがあります。個別の取引が規約や法律に当たるかは、各サービスの窓口や専門家に確認してください。
相談先まとめ
| 相談先 | こんなときに |
|---|---|
| ① 消費者ホットライン(188) | 物販講座・ツールの契約トラブル |
| ② 警察相談専用電話(#9110) | 詐欺の疑いがあるとき |
| ③ 法テラス | 返金や契約解除を法律の面から相談したいとき |
| ④ 日本弁護士連合会 | 弁護士に依頼したいとき |
山崎から一言



在庫を持たないことは、損をしない理由にはなりません。売る場所の規約を読み、仕入れ先と取り決めをしてから、少ない品数で試す。この順番を守れば、アカウント停止という一番高い授業料を払わずに済みます。










