輸入転売で売ってはいけない商品|PSEマーク・食品衛生法・薬機法と関税の基本

輸入転売で売ってはいけない商品|PSEマーク・食品衛生法・薬機法と関税の基本

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こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、そこから復活する過程で130件以上の案件を調査してきました。

「海外の通販サイトで安く買って、メルカリやAmazonで売れば差額が残るのでは?」という相談は、物販系の副業でいちばん多い質問の1つです。先に答えると、輸入転売でつまずくのは値段の差ではなく、「その商品を日本で売るための手続き」が商品ごとに決まっていることです。特にコンセントにつなぐ電気製品やモバイルバッテリー、口に入る食品や食器、肌につける化粧品は、仕入れる前に届出や許可が要らないかを確かめないと、在庫を抱えたまま売れなくなるか、法律違反になります。

この記事では、電気用品安全法・食品衛生法・医薬品医療機器等法(薬機法)・関税法の条文と、経済産業省・厚生労働省・税関の公表資料をもとに、仕入れ前に確認する商品と手続き、関税と消費税の考え方を整理します。

目次

結論:輸入転売とはどんな副業か

項目内容
どんな仕事?海外の通販サイトや卸から商品を仕入れ、国内のフリマ・ネットショップで売る。お金は国内の買い手から受け取る
どのくらい稼げる?公的な統計は無い。売値から仕入れ値・国際送料・関税等・販売手数料を引いた額が残る(計算は本文で)
始めるのに必要なもの仕入れ資金と販売先のアカウント。電気用品・食品・化粧品などを扱うなら、輸入の段階で届出や許可が必要
気をつける点「個人で使う」と申告した品物は転売できない。商品ごとの法律を仕入れ前に確認する

山崎正義が8年間で見てきた物販の失敗は、仕入れたあとに「売れない理由」に気づくケースがほとんどです。順番を逆にして、売れるかどうかより先に「売ってよいか」を確かめることを最初の習慣にしてください。

仕入れ前に確かめる商品と、関係する法律の一覧

次の表は、副業の輸入転売で扱われやすい商品と、関係する法律・手続きをまとめたものです。1つでも当てはまる商品は、仕入れ前に所管の窓口の案内を読んでください。

商品の例関係する法律販売前に必要なこと窓口
ACアダプター・充電器・モバイルバッテリー・ドライヤー・延長コードなど電気用品安全法輸入事業の届出・技術基準への適合確認・自主検査・PSEマークの表示経済産業省
食品・お菓子・サプリ(食品扱いのもの)食品衛生法販売目的なら輸入のたびに検疫所へ輸入届出厚生労働省(検疫所)
食器・調理器具・タンブラー・食品の容器食品衛生法「器具・容器包装」として輸入届出厚生労働省(検疫所)
乳幼児向けのおもちゃ食品衛生法指定おもちゃとして輸入届出厚生労働省(検疫所)
化粧品・医薬品・医薬部外品・コンタクトレンズなど医療機器医薬品医療機器等法(薬機法)製造販売業の許可など。個人輸入品の転売は不可厚生労働省(地方厚生局)・都道府県の薬務課
ブランド品のコピー・偽物関税法・商標法輸入そのものができない(没収の対象)税関

この表に無い商品でも、動物・植物、無線を使う機器、刃物、液体などは別の法律や検疫がかかることがあります。税関の「カスタムスアンサー」で商品名を検索すると、輸入に関係する法令の案内が見つかります。

電気製品とモバイルバッテリー:PSEマークが無いものは売れない

電気用品安全法の第27条は、電気用品の製造・輸入・販売の事業を行う者は、PSEマークなどの表示が付いていないものを販売し、または販売の目的で陳列してはならないと定めています。フリマアプリで繰り返し売っている人も「販売の事業を行う者」に当たり得るので、会社でなくても関係します。

輸入した人がやらなければならないこと

経済産業省の案内では、電気用品を輸入する事業者は、事業を始めてから30日以内に経済産業大臣へ届け出たうえで、技術基準への適合を確認し、自主検査を行い、その記録を保存します。さらに「特定電気用品」(ひし形のPSEマークの対象)は、登録検査機関の適合性検査も受けなければなりません。PSEマークは、こうした義務を果たした届出事業者だけが付けられる表示です。

手続き中身
事業の届出電気用品の区分ごとに、事業開始から30日以内に経済産業大臣へ
技術基準への適合確認国が定める安全の基準を満たしているかを確かめる
自主検査と記録の保存出荷する製品を検査し、記録を残す
適合性検査(特定電気用品のみ)登録検査機関の検査を受け、証明書を保存する
表示上の手続きを終えた製品に、PSEマークと届出事業者名などを表示する

ここで勘違いしやすいのが、商品にすでにPSEマークが印刷されていても、日本へ輸入したあなたが義務を果たしたことにはならない点です。経済産業省は、海外の製造事業者が届出をしていても、国内に輸入する事業者が自ら届出・適合確認・表示などを行う必要があると説明しています。

罰則

第57条は、第27条に違反してPSE表示の無い電気用品を販売した人などを、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方に処すると定めています。届出をしなかった・検査記録を残さなかったなどの違反は、第58条で30万円以下の罰金です。

注意:モバイルバッテリー(リチウムイオン蓄電池)も電気用品安全法の対象です。発火事故が多い商品なので、マークの無いものを安く仕入れて売るのは、法律の面でも買った人の安全の面でも避けてください。

食品・食器・乳幼児のおもちゃ:販売目的なら輸入届出が要る

食品衛生法の第27条により、販売や営業に使う目的で食品・添加物・器具・容器包装・乳幼児向けのおもちゃを輸入するときは、輸入のたびに厚生労働大臣へ届け出なければなりません。届出先は、通関する場所を管轄する検疫所の食品監視窓口です。

検疫所の食品衛生監視員は、届け出られたすべての貨物について、日本の規格基準に合っているかを書類で確かめ、必要に応じて検査をします。基準に合わないものは日本で売れません。税関の案内では、個人で使う目的やお土産として持ち帰るものは届出が要らないとされていますが、その品物をあとで売れば「販売目的の輸入」を届け出なかったことになり得ます。

見落としやすい商品なぜ対象になるか
海外のお菓子・調味料・健康食品口に入るものはすべて「食品」
マグカップ・タンブラー・弁当箱・水筒食品に直接触れる「器具」「容器包装」
赤ちゃん向けのおもちゃ・歯固め乳幼児が口に入れるおそれのある「おもちゃ」

売るときにも別の決まりがかかります。食品を継続して売るなら、内容によっては保健所の営業許可や届出、食品表示法にもとづく日本語の表示が必要です。輸入食品は扱う範囲が広いので、副業で始めるなら最初から避けるのが無難だと山崎は考えています。

化粧品・医薬品:個人輸入したものは他人に売れない

医薬品医療機器等法(薬機法)では、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器などは、厚生労働大臣の製造販売業の許可を受けた者でなければ、業として輸入してはならないとされています(税関「医薬品・化粧品等の個人輸入について」)。

個人が自分で使うための輸入は、一定の範囲で認められています。ただし厚生労働省は、個人輸入できるのは自分自身で使う場合に限られ、個人輸入した製品を他の人に売ったり譲ったりすることは認められないと明記しています。厚生労働省の「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」でも、個人輸入した医薬品等を他者に販売・授与等した場合は医薬品医療機器等法の規定に違反するおそれがあると説明されています(2026年10月時点)。関東信越厚生局の資料では、自宅以外に送らせると、無許可販売のための輸入と税関に判断されるとしています。

やりがちな行動扱い
海外コスメを個人輸入し、使わなかった分をフリマで売る個人輸入品の販売・譲渡に当たり、認められない
海外のサプリを「日本未発売」として転売する成分によっては医薬品として扱われ、薬機法の対象になり得る
カラーコンタクトを海外から仕入れて売る高度管理医療機器にあたり、販売にも許可が要る

国民生活センターも、個人輸入された化粧品には品質・安全性の確認が不十分なものがあるとして注意を呼びかけています。肌に直接つけるものは、売った相手に健康被害が出たときの責任も重くなります。

偽ブランド品:個人使用でも輸入できない

関税法第69条の11は、商標権や意匠権を侵害する物品を「輸入してはならない貨物」としています。税関によると、2022年(令和4年)10月1日からは、海外の事業者から郵送などで届く模倣品は、個人で使う目的でも輸入できなくなりました。税関に没収されても、代金の返金は購入先に求めるしかありません。

税関は、輸入者に事業性がある場合は従来どおり罰則の対象になると説明しています。「正規品より安い海外のブランド品」を仕入れて売る話は、それだけで警戒してください。本物かどうかを自分で確かめられない品物は、仕入れない判断がいちばん安全です。

関税と消費税:「個人使用」と「転売目的」で計算が変わる

輸入転売で手元に残る額を考えるときは、関税と消費税(輸入消費税)も仕入れ値に入れます。税関の案内で確かめられる主なルールは次のとおりです。

ルール内容(2026年10月時点)
少額の免税課税価格の合計が1万円以下の物品は、原則として関税と消費税が免税。ただし革製のかばん・衣類・靴など免税にならない品目がある
1万円の数え方1回の輸入(インボイス)ごとに判定。郵便物は同じ宛名に同じ時期に分けて送られたものを合算
個人使用の特例個人で使う物品は「海外の小売価格×0.6」で課税価格を計算できる。転売目的の輸入には使えない
今後の見直し財務省は令和8年度税制改正で、個人使用の0.6の特例を廃止する方針を示している。1万円以下の少額貨物の扱いも見直しが決まっている(施行時期は財務省・税関の発表で確認)

転売するつもりで「個人で使う」と申告すると、税額を少なく申告したことになり、正しい税額との差を追って納めることになります。財務省も、個人使用の貨物と偽る輸入があることを特例廃止の理由に挙げています。最初から「売る目的の輸入」として計算しておくのが、あとで困らない方法です。

1個あたりの手取りの計算式

手取り = 売値 −(仕入れ値 + 国際送料 + 関税・輸入消費税 + 通関の手数料 + 販売手数料 + 国内の送料 + 売れ残り・返品の損失)

海外の通販サイトの価格だけを見て差額を計算すると、送料と税金と手数料の分だけ利益が消えます。物販の手数料の考え方はせどりと転売の違いと、違法になる5つのケースでも触れています。

こんな「輸入転売スクール」には申し込まない

SNSや動画広告で、「中国輸入で月◯万円」「仕入れリストを渡すだけで誰でも」とうたう講座を見かけます。山崎正義が300万円の被害を受けた頃から、法律や手続きの話をせずに利益だけを見せる勧誘は典型的なパターンです。

  • PSEマーク・食品衛生法・薬機法について説明がない、または「個人なら関係ない」と言う
  • 「個人使用で申告すれば関税が安くなる」と教えている
  • ブランド品や化粧品、サプリを「売れ筋」として勧めている
  • 仕入れ先リストや専用ツールを高額で販売し、返金の条件が書かれていない
  • 「必ず売れる」「赤字にならない」と言い切っている

1つでも当てはまれば、申し込まないでください。怪しい募集の見分け方は安全な副業の探し方に、副業スクールの高額契約で困ったときの相談先は副業トラブル注意喚起ガイドにまとめています。

税金と会社への届出

輸入転売で利益が出れば、所得税の対象になります。会社員の場合、給与以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告は不要とされる一方、住民税の申告は別に必要です。仕入れ値・送料・関税・輸入消費税・販売手数料は、売上に対応する経費として記録を残してください。ほかにも副業がある場合の数え方は副業を掛け持ちしたら20万円は合計で判定?で整理しています。

また、中古品を仕入れて売るなら古物営業法の許可(古物商許可)が必要になる場合があります。新品を海外から輸入して売るだけなら通常は対象外ですが、国内で中古品を買い取って売る形を混ぜるなら確認してください。

よくある質問

Q1. 海外通販で買った電気製品を、使わずにフリマで1回売るだけでも違反ですか?

電気用品安全法の第27条は「販売の事業を行う者」を対象にしています。一度きりの不用品の処分が直ちに事業に当たるとは限りませんが、繰り返し仕入れて売っていれば事業とみなされ得ます。PSEマークの無い電気製品は、多くのフリマアプリでも出品が禁止されています。迷うなら出品しないでください。

Q2. 商品にPSEマークが付いていれば、そのまま売ってよいですか?

輸入したのが自分なら、自分が届出事業者として義務を果たしていない限り、マークが付いていても足りません。経済産業省は、海外メーカーが届出をしていても、国内に輸入する事業者が自ら届出や適合確認、表示を行う必要があると説明しています。国内の正規代理店から仕入れる場合は、輸入事業者はその代理店になります。

Q3. 個人輸入した化粧品を、友人に無料であげるのも駄目ですか?

厚生労働省は、個人輸入した製品を他の人に売ることも譲ることも認められないとしています。有料か無料かは関係ありません。

Q4. 1万円以下なら関税はかからないので、小分けにすればいいですか?

郵便物は同じ宛名に同じ時期に分けて送られたものを合算して判定されます。また、1万円以下でも免税にならない品目があります。転売目的なら、個人使用の0.6の特例も使えません。税額を減らすために分けるのではなく、正しい課税で利益が出るかを計算してください。

Q5. 扱ってよい商品か分からないときは、どこに聞けばいいですか?

輸入の規制全般は税関の相談官、電気製品は経済産業省(電気用品安全法の窓口)、食品・食器・おもちゃは輸入する港や空港を管轄する検疫所、化粧品・医薬品は地方厚生局や都道府県の薬務課が窓口です。仕入れる前に問い合わせれば、在庫を抱えずに済みます。

まとめ

  • 輸入転売で最初に確かめるのは、値段の差ではなく「その商品を日本で売るための手続き」
  • 電気製品・モバイルバッテリーは、輸入した人が届出とPSE表示をしないと販売できない(違反は1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金)
  • 食品・食器・乳幼児のおもちゃは、販売目的なら輸入のたびに検疫所へ届出
  • 化粧品・医薬品は業としての輸入に許可が要り、個人輸入品は売ることも譲ることもできない
  • 偽ブランド品は個人使用でも輸入できない。関税は「転売目的」として計算する

次に読むなら、国内で仕入れて売る副業の法律の線引きをまとめたせどりと転売の違いの記事がおすすめです。

※本記事は2026年10月時点で確認できた法令(e-Gov法令検索:電気用品安全法・関税法)と、経済産業省(電気用品安全法の手続き)、厚生労働省・検疫所(食品等の輸入届出、医薬品等の個人輸入)、税関(カスタムスアンサー)、財務省(令和8年度関税改正の解説)の公表資料をもとにした一般的な情報です。個別の商品が規制の対象かどうかの判断ではありません。仕入れの前に、各窓口の最新の案内をご確認ください。

相談先まとめ

  • ① 消費者ホットライン(188):輸入転売スクール・仕入れ先とのトラブル
  • ② 警察相談専用電話(#9110):違法な売り方を勧める勧誘を受けたとき
  • ③ 法テラス
  • ④ 日本弁護士連合会
  • ⑤ 税関の相談官:輸入の規制・関税について

山崎から一言

輸入転売は、ルールを知らずに始めると「仕入れたのに売れない」在庫が残ります。最初の1回は、扱う商品の窓口の案内を読んでから仕入れてください。急がなくて大丈夫です。

輸入転売で売ってはいけない商品|PSEマーク・食品衛生法・薬機法と関税の基本

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