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こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、そこから復活する過程で130件以上の案件を調査してきました。
「抽選で当たったプレミア焼酎をフリマで売ったら高く売れた。これを続けたら副業になるのでは?」という疑問は、物販系の副業を調べている方からよく出てきます。先に答えると、お酒を続けて売るなら、個人でも酒類販売業免許が必要です。もらい物を1本手放す程度なら通常は要りませんが、仕入れて売ることを繰り返せば無免許販売になり得ます。
この記事では、酒税法の条文と国税庁の案内をもとに、免許が要るライン・要らないライン、免許を取る場合の区分と費用、フリマで出品する前に確かめることを整理します。
結論:続けて売るなら、営利かどうかに関係なく免許が要る
国税庁はフリマサイト等に出品する人向けの案内で、お酒を継続して販売する行為は、営利目的かどうか・販売先が特定か不特定かにかかわらず「酒類の販売業」にあたり、販売業免許が必要だと説明しています。判断の軸は「儲けたかどうか」ではなく「続けて売っているかどうか」です。
| 売り方 | 免許 | 理由 |
|---|---|---|
| もらい物や飲まなくなったお酒を1本だけ出品する | 通常は不要 | 継続的な販売にあたらないため |
| 抽選・店頭で買ったプレミア酒を、毎回フリマで売る | 必要 | 仕入れて売ることを繰り返している |
| 知人のお酒を代わりに出品して手数料をもらう | 必要 | 販売の代理・媒介も「販売業」に含まれる |
| 家にあるコレクションを何回かに分けて処分する | 個別判断 | 本数・回数の線引きは公表されていない。税務署に相談 |

「◯本までなら免許なしでOK」という公式の基準はありません。数字で線を引いて説明する情報は、根拠を確かめてから信じてください。
根拠になる法律:酒税法第9条と第56条
酒税法第9条は、お酒の販売業や販売の代理業・媒介業をしようとする人は、販売場ごとに所轄の税務署長から販売業免許を受けなければならない、と定めています。販売場を持たない場合は住所地の税務署が窓口です。ネットやフリマだけで売る個人もこの対象から外れません。
無免許で販売業をした場合の罰則は、同法第56条にあります。
| 項目 | 内容(酒税法) |
|---|---|
| 無免許で販売業をした場合 | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第56条第1項第1号) |
| 販売したお酒 | 誰の所有かを問わず没収の対象(第56条第2項) |
| 例外 | 酒類製造者が自分の製造場で売る場合、飲食店が店内で飲ませる場合は販売業免許の対象外(第9条第1項ただし書) |
また国税庁は、フリマサイトやネットオークションでの無免許販売を抑えるため、運営事業者と連携し、必要に応じて出品者へ個別に注意を促すよう依頼していると公表しています。「個人だから見つからない」という前提で始めるものではありません。
免許を取って売る場合の2つの区分
本気でお酒の販売を副業にするなら、免許を取ってから始めることになります。個人が消費者に売る場合に関係するのは、主に次の2つです。
| 項目 | 一般酒類小売業免許 | 通信販売酒類小売業免許 |
|---|---|---|
| 売る相手 | 販売場で売る/1つの都道府県の消費者だけに売る | 2つ以上の都道府県の消費者に、ネットやカタログで売る |
| 扱えるお酒 | 品目の制限なし | 国産酒は、前年度の品目ごとの課税移出数量が3,000キロリットル未満の製造者のものなどに限られる(輸入酒は数量の制限なし) |
| 登録免許税 | 小売に限る条件の付いた販売業免許は1件につき3万円(登録免許税法 別表第一) | |
| 申請先 | 販売場の所在地を所轄する税務署(酒類指導官が置かれている税務署が相談窓口) | |
全国に発送するネット販売なら通信販売酒類小売業免許が必要で、大手メーカーの人気銘柄は通販免許では扱えない場合がある点に注意が必要です。「プレミア酒を全国に通販して稼ぐ」という計画は、免許の段階で成り立たないことがあります。
審査では、申請者の経歴や税金の滞納の有無、販売場の状況、経営の基礎(資金や設備)などが確認されます。具体的な要件と必要書類は、国税庁の「酒類販売業免許の申請の手引」で確かめてください。
フリマ・オークションに出品する前に確かめること
免許の要否とは別に、出品先のルールも確認が必要です。メルカリのガイド「禁止されている行為」には、製造や販売に許可・届出・免許等が必要な商品を、それらなしに出品することが挙げられています。お酒の度数や種類ごとに独自の制限を設けているサービスもあるので、出品のたびにアプリ内の「禁止されている出品物」を見てください。
| 確認すること | どこで見るか |
|---|---|
| そのお酒を出品してよいか | 各フリマのガイド(禁止されている出品物・禁止されている行為) |
| 自分の売り方が「継続的な販売」にあたらないか | 所轄の税務署(酒類指導官) |
| 買い手が20歳以上か | お酒を業として売る人は、二十歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律で年齢確認などの措置が求められる |
| 割れずに届くか | 配送方法の補償の範囲(瓶は破損時の扱いを事前に確認) |
二十歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律では、お酒を販売する営業者が、20歳未満が飲むと知りながら売った場合は50万円以下の罰金です。免許を取って販売する側になると、こうした責任も一緒に負うことになります。
「酒せどりで月◯万円」という募集で確かめること
物販スクールや副業の勧誘で「プレミア酒の転売」が紹介されることがあります。山崎正義が300万円の被害を受けた頃から、「仕入れて売るだけ」と簡単さを強調し、必要な許可の話をしない勧誘は典型的なパターンです。
- 酒類販売業免許の話がまったく出てこない
- 「個人なら免許はいらない」と言い切っている
- 仕入れ先リストやツールを高額で売り、利益の見込みだけを強調する
- 通販免許で扱えない銘柄を「全国に売れる」と説明している
1つでも当てはまれば、申し込む前に立ち止まってください。転売全般の法律の線引きはせどりと転売の違いと、違法になる5つのケースで、怪しい募集の見分け方は安全な副業の探し方でまとめています。
税金:私物の処分と転売の利益は扱いが違う
自分で飲むために買ったお酒を手放した場合と、売るために仕入れて利益を出した場合では、所得税の扱いが変わります。転売の利益は雑所得や事業所得として申告の対象になり得ます。会社員の副業なら「年20万円」の判定も関係するので、数え方は副業を掛け持ちしたときの20万円の数え方を参考にしてください。仕入れ値・送料・手数料の記録は、始めた日から残しておくのが基本です。
出品前のセルフチェック
| チェック項目 | はい なら |
|---|---|
| 売るためにお酒を買った(または買う予定がある) | 免許が必要な可能性が高い。税務署に相談 |
| これまでに何度もお酒を出品している | 継続的な販売にあたる可能性。いったん出品を止めて相談 |
| 他人のお酒を代わりに売っている | 代理・媒介も販売業。免許が必要 |
| 出品先のガイドで禁止されていないか見ていない | 出品前にアプリ内の禁止出品物を確認 |
| 全国に通販したい | 通信販売酒類小売業免許の要件(扱える銘柄)を先に確認 |
お酒以外にも、輸入品には電気用品安全法(PSE)や食品衛生法で販売が制限されるものがあります。詳しくは「輸入転売で売ってはいけない商品」をご覧ください。
よくある質問
Q1. 1本だけなら本当に免許はいりませんか?
もらい物や自分で飲むつもりだったお酒を1回手放すだけなら、通常は継続的な販売にあたりません。ただし、最初から売るつもりで買ったものを出品する場合や、今後も続ける予定がある場合は事情が変わります。迷うなら出品前に所轄の税務署に聞くのが確実です。
Q2. 利益が出ていなければ大丈夫ですか?
国税庁の案内では、営利目的かどうかを問わず、継続して販売すれば販売業にあたるとされています。赤字でも、続けて売っていれば免許の問題は残ります。
Q3. 免許の申請にはいくらかかりますか?
登録免許税は、小売に限る条件の付いた販売業免許で1件3万円です(登録免許税法 別表第一)。書類の取得費用や、行政書士に依頼する場合の報酬は別にかかります。
Q4. 会社員でも免許は取れますか?
個人でも申請はできますが、経営の基礎や販売場の状況などが審査されます。副業として取れるかどうかは、勤務先の就業規則とあわせて、税務署の酒類指導官に事前相談してください。
まとめ
- お酒を続けて売るなら、個人でも酒類販売業免許が必要(営利かどうかは問わない)
- 無免許の販売業は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(酒税法第56条)
- 全国へのネット販売は通信販売酒類小売業免許。扱える国産酒に制限がある
- 出品前にフリマのガイドを確認し、迷ったら税務署に相談する
次に読むなら、仕入れて売る副業全般の法律の線引きをまとめたせどりと転売の違いの記事がおすすめです。
※本記事は2026年10月時点で確認できた法令(e-Gov法令検索)と国税庁の公表資料をもとにした一般的な情報です。個別の取引が免許の対象になるかは、所轄の税務署にご確認ください。
相談先まとめ
- ① 消費者ホットライン(188):物販スクール・副業の勧誘で契約トラブルになったとき
- ② 警察相談専用電話(#9110)
- ③ 法テラス
- ④ 日本弁護士連合会
- ⑤ 所轄の税務署(酒類指導官):免許が必要かどうか・申請の相談
山崎から一言



高く売れたという経験は、続けたくなるきっかけになります。でもお酒は、続けた時点で免許の世界に入ります。2本目を出品する前に、一度だけ税務署に電話してみてください。










