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こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、そこから地道な副業で立て直す過程で、130件以上の副業案件を調べてきました。ペットシッターは、飼い主が留守のあいだに自宅を訪ねて、えさやり・トイレの掃除・散歩などの世話をする仕事です。動物が好きな方が、土日だけの副業として考えることの多い仕事でもあります。
この記事では、「副業で少しやるだけでも、登録は必要なのか」「登録が要らないのはどんな場合か」「資格を取れば始められるのか」の3点に答えます。根拠にしたのは、動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)と、環境省・自治体の案内です。
結論|個人で依頼を受けるなら、副業でも登録が必要
| 項目 | 答え |
|---|---|
| どんな仕事? | 飼い主の留守中に自宅を訪ね、えさやり・トイレの掃除・散歩などの世話をする。飼い主から、訪問1回ごとの料金を受け取る |
| どのくらい稼げる? | 料金は自分で決める仕事で、公的な統計はない。移動と打ち合わせの時間を足して時給に直す計算は本文で示す |
| 始めるのに必要なもの | 第一種動物取扱業(保管)の登録。登録には、要件を満たす「動物取扱責任者」と、申請の手数料が要る |
| 気をつける点 | 登録をせずに営業すると、100万円以下の罰金の対象になる。民間の資格を取っただけでは、登録の要件を満たせないことがある |
環境省は、第一種動物取扱業の説明のなかで、ペットシッターを「保管」の業種の例として挙げています。動物を自分で所有していなくても、預かるための施設を持っていなくても、規制の対象になると書かれています。本業か副業か、月に何件かは、登録が要るかどうかの基準になっていません。
一方で、登録を受けた会社にスタッフとして雇われて働く場合は、登録をするのは会社です。動物に関わる仕事の経験がない会社員の方は、まずこちらの形から考えるのが現実的です。理由は「動物取扱責任者の要件」のところで説明します。
どんな仕事?|ペットホテルとの違いと、働き方の3つの形
ペットホテルは、店が動物を預かります。ペットシッターは、世話をする人が飼い主の家へ行きます。動物にとっては住み慣れた場所で過ごせる、飼い主にとっては送り迎えが要らない、という違いがあります。法律の上では、どちらも「保管を目的に顧客の動物を預かる業」として、同じ「保管」の業種に入ります。
| 働き方 | 誰からお金を受け取るか | 自分の登録 |
|---|---|---|
| 個人で開業して、飼い主から直接依頼を受ける | 飼い主 | 必要 |
| 飼い主とシッターをつなぐ仲介サイトに登録して、依頼を受ける | 飼い主(サイトの手数料が引かれる) | 個人として受ける形なら必要。サイトごとの登録条件を確かめる |
| 登録を受けたシッター会社に雇われて働く | 会社(給与) | 会社が登録する。自分で登録はしない |
仲介サイトを使う場合も、飼い主と契約するのが自分であれば、事業をしているのは自分です。「サイトに登録すれば、行政への登録は要らない」という説明を見かけたら、そのサイトの利用条件と、自分の住む地域の保健所の両方で確かめてください。
登録が要るライン・要らないライン
登録が要るのは、動物の保管を「業として」行う場合です。埼玉県の案内では、動物愛護管理法でいう業を、①社会性をもって、②反復継続的に、または多数の動物を、③営利の目的などをもって取り扱うことと説明しています。鳥取県の案内には、有償・無償を問わない、とも書かれています。
| 場面 | 登録 | 考え方 |
|---|---|---|
| チラシ・SNS・仲介サイトで依頼を募り、料金を受け取って世話をする | 必要 | 3つの要素すべてに当てはまる。副業でも、土日だけでも同じ |
| 犬の散歩だけを、料金を受け取って繰り返し引き受ける | 必要になる可能性が高い | 顧客の動物を預かって世話をする形は「保管」に当たりうる。保健所に確かめる |
| 「最初の数回は無料モニター」として客を集める | 必要になる可能性が高い | 無償でも、事業のために行うものは対象になりうる |
| 登録を受けた会社に雇われ、会社の仕事として訪問する | 自分では不要 | 登録するのは会社。会社の登録番号を確かめておく |
| 旅行に行く友人や親族のペットを、頼まれて世話する | 不要と考えられる | 特定の少数の人が相手で、営利の目的がなければ「業」に当たらない。ただし判断するのは自治体 |

表の「必要」「不要」は、法律と自治体の案内から山崎が整理した目安です。境目の判断は、事業所の所在地を受け持つ保健所や動物愛護センターが行います。始める前に、やりたい内容をそのまま伝えて相談してください。
なお、営利を目的としない活動でも、施設を持って一定数以上の動物を扱う場合は「第二種動物取扱業」の届出が必要です。保護活動などが対象で、料金を受け取るペットシッターの副業とは別の制度です。
登録に必要なもの|いちばんの壁は「動物取扱責任者」
登録は、事業所ごと・業種ごとに、都道府県知事か政令指定都市の長から受けます。訪問型で預かる施設がなくても、事業所(連絡先や書類を置く場所)は決める必要があります。自宅を事業所にする方が多いです。
| 必要なもの | 内容 |
|---|---|
| 動物取扱責任者 | 事業所ごとに1人。要件を満たす人を置く。1人で始めるなら自分がなる |
| 事業所の権原を示す書類 | 持ち家なら登記事項証明書など、賃貸なら賃貸契約書など。名義人が自分でない場合は、所有者や管理者の承諾の証明が求められる(埼玉県の案内) |
| 欠格事由に当たらないことを示す書類 | 申請者と動物取扱責任者について提出する |
| 申請の手数料 | 自治体ごとに決まっている。埼玉県は1業種16,000円 |
| 登録の有効期間 | 5年。続けるなら更新の手続きをする(動物愛護管理法13条) |
動物取扱責任者の要件は「経験」と「学校または資格」の組み合わせ
2020年6月の法改正で、動物取扱責任者の要件は厳しくなりました。札幌市の案内では、次のAかBのどちらかに加えて、CかDのどちらかを満たす必要があるとされています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| A 実務経験 | 営もうとする業種について、半年以上の実務経験がある |
| B 飼養経験 | 取り扱う動物の種類ごとに、実務経験と同等と認められる1年以上の飼養に従事した経験がある |
| C 学校 | 動物の取り扱いに関する知識と技術を、1年以上教える学校などを卒業している |
| D 資格 | 動物の取り扱いに関する知識と技術についての資格認定試験に合格している |
獣医師と愛玩動物看護師の免許を持つ人は、この組み合わせによらず責任者になれます。
ここで大事なのは、Dの資格だけでは足りないという点です。通信講座で民間の資格を取っても、AかBの経験がなければ要件を満たしません。Bの飼養経験として何が認められるか、Dとしてどの資格が認められるかは、自治体が資格の一覧などで示しています。自分でペットを飼ってきた年数がBに当たるかどうかも含めて、講座に申し込む前に保健所へ確かめてください。
どのくらい稼げる?|1回の料金を時給に直す計算
ペットシッターの料金は、シッターが自分で決めます。公的な統計はないので、この記事では相場の金額を載せていません。代わりに、1回の料金が時間あたりいくらになるかを確かめる式を示します。
計算の式
1時間あたり =(1回の料金 − 仲介の手数料 − 自分で払う交通費)÷(世話の時間 + 往復の移動時間 + 報告を書く時間)
計算例(数字はすべて説明のための仮のものです。実際の相場ではありません)
1回の料金3,000円、仲介の手数料20%(600円)、交通費400円、世話60分、往復の移動40分、報告10分の場合
(3,000円 − 600円 − 400円)÷ 110分 × 60分 = 約1,091円
この式に入っていない時間とお金もあります。始める前に、次の4つも書き出してください。
- 初めての依頼の前に行う打ち合わせ(顔合わせ・鍵の受け渡し)。料金を取らないなら、その時間は無給になる
- 登録の手数料と、5年ごとの更新の手数料
- 事故に備える賠償責任保険の保険料
- 依頼が集中する時期(年末年始・大型連休・お盆)と、それ以外の時期の差
件単価の仕事を時間あたりに直す考え方は、ポスティングの1枚単価を時給に直す記事でも同じ形で整理しています。
始め方|相談から最初の依頼まで
| 順番 | やること | 確かめる点 |
|---|---|---|
| 1 | 勤務先の就業規則を読む | 副業が禁止・許可制・届出制のどれか |
| 2 | 保健所か動物愛護センターに相談する | 自分の経験と資格で、動物取扱責任者の要件を満たせるか。必要な書類と手数料 |
| 3 | 事業所にする場所の決まりを確かめる | 賃貸なら契約書と貸主の承諾。分譲マンションなら管理規約 |
| 4 | 登録を申請する | 営業を始める前に登録を受ける。登録の前に依頼を受けない |
| 5 | 保険と契約書を用意する | けが・逃走・物の破損・鍵の紛失が起きたときの取り決め |
| 6 | 依頼を受ける | 事前の打ち合わせで、世話の内容・緊急時の連絡先・かかりつけの動物病院を書面に残す |
要件を満たせなかった場合は、登録を受けたシッター会社やペットホテルで働いて実務経験を積む道があります。自治体の案内では、実務経験を常勤の職員としての勤務に限っている例があるので、週末だけの勤務が経験として数えられるかどうかも、手順2の相談で確かめてください。就業規則の読み方は就業規則の副業禁止・許可制を確かめる記事に、飼い主と交わす書面の見方は業務委託契約書のチェックリストにまとめています。
気をつける点|登録したあとに続くこと
1. 標識の掲示と、訪問先で身につける識別章
登録を受けた事業者は、登録番号などを書いた標識を事業所に掲示します。事業所の外で仕事をするときは、識別章(名札)を身につける取り扱いです。訪問型のペットシッターは、仕事のほとんどが事業所の外なので、識別章のほうが日常的に関わります。
2. 動物取扱責任者の研修
動物取扱責任者には、自治体が行う研修を受ける義務があります。開催の頻度は自治体によって違います。案内が届いたら受けてください。更新の申請で、研修の修了証の写しを求める自治体もあります。
3. 他人の家の鍵と、他人の動物を預かる責任
ペットシッターは、留守の家に入ります。鍵の受け取りと返却の方法、室内で入ってよい場所、写真を撮ってよい範囲を、最初の打ち合わせで決めて書面に残してください。散歩中に動物が逃げた、人にかみついた、室内の物を壊した、という事故は、シッターの責任を問われる場面です。賠償責任保険に入らずに始めるのはすすめません。
こんな募集には応募しない
動物に関わる仕事は、「好き」という気持ちが入り口になります。その気持ちを使った勧誘もあります。次のどれかに当てはまったら、申し込みを止めてください。
- 「この資格を取れば、すぐに開業できる」と高額の講座をすすめる:登録には、資格のほかに実務経験か飼養経験が要ります。その資格が自治体の一覧に入っているかも、先に確かめる点です
- 「うちに登録すれば、行政への登録は要らない」と説明する:雇用されて働くのか、個人として依頼を受けるのかで結論が変わります。契約の形を書面で確かめてください
- 登録料・研修費・保証金を、仕事の前に払わせる:仕事を紹介する側が、働く側から先にお金を取る理由を説明できない募集は避けます
- 運営者の名前・所在地・動物取扱業の登録番号が書かれていない:登録を受けた事業者は、標識や広告に登録番号などを示すことになっています
- 「知り合いの範囲なら登録なしで大丈夫」と、無登録で依頼を回してくる:罰金の対象になるのは、紹介した側ではなく、営業した自分です
お金を払う前に確かめる点は副業詐欺の見分け方7つに、初期費用のかからない仕事の探し方は安全な副業の探し方にまとめています。
税金と会社への届出
個人で依頼を受けた場合の収入は、給与ではありません。会社員の副業であれば、多くの場合は雑所得として扱われます。売上から、交通費・保険料・登録の手数料などの経費を引いた額が所得です。給与以外の所得が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。20万円以下でも、住民税の申告は別に必要です。
シッター会社に雇われて働く場合は給与になり、経費を引く考え方は使えません。20万円の数え方は副業の確定申告と20万円ルールに、勤務先への伝わり方は住民税を普通徴収にしても副業が会社に伝わる5つのケースに書いています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 月に1〜2件だけでも、登録は必要ですか?
件数の少なさだけで、登録が要らなくなるわけではありません。料金を受け取り、広く依頼を募って、繰り返し引き受けるなら「業」に当たります。件数が少ない予定でも、始める前に保健所へ相談してください。
Q2. 友人のペットを預かって、お礼をもらいました。違反になりますか?
特定の友人から頼まれて世話をし、お礼を受け取っただけなら、「業」には当たらないと考えられます。ただし、お礼が決まった料金になり、紹介で相手が広がり、繰り返すようになると、判断が変わります。境目は自治体が判断するので、広げる前に相談してください。
Q3. 飼い主の家に行くだけで、自分の家では預かりません。それでも登録は必要ですか?
必要です。環境省は、動物の所有や飼養施設がない場合も規制の対象になるとして、ペットシッターを例に挙げています。
Q4. 通信講座でペットシッターの資格を取れば、登録できますか?
資格だけでは足りません。動物取扱責任者になるには、半年以上の実務経験か、それと同等と認められる1年以上の飼養経験のどちらかが、あわせて必要です。取ろうとしている資格が自治体の認める一覧に入っているかも、申し込む前に確かめてください。
Q5. 登録をせずに始めると、どうなりますか?
登録を受けずに第一種動物取扱業を営んだ場合、100万円以下の罰金の対象になります。「知らなかった」では済まないので、依頼を受ける前に登録を済ませてください。
まとめ|講座や仲介に申し込む前に、保健所へ相談する
- ペットシッターは、第一種動物取扱業の「保管」に当たる。施設がなくても、副業でも、個人で依頼を受けるなら登録が必要
- 登録が要るかどうかは、社会性・反復継続・営利の目的で判断される。友人や親族から頼まれて世話をするだけなら、対象にならないと考えられる
- 登録には動物取扱責任者が要る。要件は「実務経験か飼養経験」と「学校か資格」の組み合わせで、資格だけでは満たせない
- 登録を受けた会社に雇われて働くなら、自分で登録はしない。経験のない方はこの形から考える
- 料金は、移動と報告の時間を足して時間あたりに直す。打ち合わせ・手数料・保険料も書き出す
- 無登録の営業は、100万円以下の罰金の対象になる
次に読むなら、同じように依頼1件ごとに報酬を受け取る仕事の、経費の記録と事故への備えを整理したフードデリバリー配達員の記事がおすすめです。個人で仕事を受けるときに何を残しておくかが、そのまま当てはまります。
※本記事は、2026年10月時点で公開されている動物の愛護及び管理に関する法律と、環境省・埼玉県・鳥取県・札幌市・京都府・東京都の案内をもとに、一般的な内容を整理したものです。登録の要否、動物取扱責任者の要件として認められる経験と資格、手数料、研修の扱いは自治体ごとに異なります。計算例の数字は説明のための仮のもので、実際の料金や収入を示すものではありません。最終的な判断は、事業所の所在地を受け持つ保健所・動物愛護センターや、税務署などにご確認ください。
山崎から一言



ペットシッターは、順番を間違えるとお金を先に失う副業です。資格の講座に申し込む、仲介に登録料を払う。そのあとで保健所に行き、経験が足りないと知る。山崎が相談を受けてきた「払ってから分かる」流れと同じ形です。保健所への相談は無料です。自分の経験で登録できるかを先に聞き、足りなければ雇われて経験を積む。この順番なら、遠回りに見えても損をしません。










