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こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、そこから地道な副業で立て直す過程で、130件以上の副業案件を調べてきました。ポスティングは、チラシを家や集合住宅のポストに入れていく仕事です。特別な技術が要らず、歩く時間がそのまま仕事になるので、運動を兼ねて始める方もいます。
この記事では、「1枚◯円という単価は、時給に直すといくらになるのか」「入れてはいけないポスト・入ってはいけない場所はどこか」の2点に答えます。単価は会社・地域・チラシの種類で変わり、公的な統計もないため、金額の一覧は載せていません。代わりに、募集要項の数字を自分で時給に直す式を示します。
結論|1枚単価は「1時間に配れる枚数」を掛けないと比べられない
| 項目 | 答え |
|---|---|
| どんな仕事? | 配布会社や店舗から預かったチラシを、指定された地域のポストに入れていく。配った枚数や働いた時間に応じて、依頼元から報酬を受け取る |
| どのくらい稼げる? | 単価は募集ごとに違い、公的な統計はない。配布のほかに受け取り・仕分け・移動・報告の時間がかかるので、時給に直す計算は本文で示す |
| 始めるのに必要なもの | 歩きやすい靴、チラシを入れるかばん、連絡と報告に使うスマホ。自転車があると楽になる。登録料や研修費は通常かからない |
| 気をつける点 | 「チラシお断り」の表示があるポストや、管理者が立ち入りを断っている建物には入れない。断られた場所への立ち入りは、苦情だけでなく法律の問題になることがある |
ポスティングの募集には「1枚◯円」「1日◯円も可能」といった数字が並びます。ただ、同じ単価でも、集合住宅が多い地域と戸建てが離れている地域では、1時間に配れる枚数がまったく違います。単価だけを見比べても、割に合うかどうかは分かりません。最初の数回は時間を測り、自分の地域での時給を自分で出すことをおすすめします。
どんな仕事?|契約の形で、お金の入り方と守られ方が変わる
ポスティングには、大きく分けて2つの契約の形があります。募集要項に「業務委託」「完全出来高」とあれば前者、「アルバイト」「時給」とあれば後者です。
| 項目 | 業務委託(出来高制に多い) | 雇用(アルバイト・パート) |
|---|---|---|
| お金の入り方 | 配った枚数 × 単価 | 時給(歩合が上乗せされる形もある) |
| 最低賃金 | 適用されない。時給に直すと地域の最低賃金を下回ることもありうる | 適用される |
| 働く時間・場所 | 期限までに、自分の都合のよい時間に配る。地域は依頼元が指定することが多い | シフトや集合時間が決まっていることが多い |
| 仕事中のけが | 原則として労災保険の対象外。自分の保険で備える | 雇い主の労災保険の対象 |
| 税金 | 天引きされないことが多い。自分で所得を計算して申告する | 給与として源泉徴収される |
配り方にも種類があります。指定された地域のポストに1軒ずつ入れていく形のほか、「集合住宅だけ」「戸建てだけ」と対象を絞る形、数種類のチラシを重ねて1セットで入れる形があります。対象を絞る配り方は、歩く距離のわりに入れられるポストが少なくなります。応募の前に、どの配り方なのかを確かめてください。
時給で働く単発の仕事との違いは、スキマバイトアプリの仕組みと雇用契約の記事で整理しています。
どのくらい稼げる?|1枚単価を時給に直す計算
出来高制のポスティングで見落としやすいのは、ポストに入れている時間以外にも時間がかかることです。次の時間をすべて足してから割ります。
- チラシを受け取りに行く時間(自宅に届く場合は、受け取りと置き場所の整理)
- チラシを折る・数種類を1セットに組む時間
- 自宅から配布する地域までの往復の時間
- ポストに入れて歩く時間
- 配り終えたあとの報告(地図への記入、アプリへの入力、残った枚数の連絡)の時間
計算の式
時給 =(1枚の単価 × 配った枚数 − かかった経費)÷ 上の5つを足した時間
計算例(数字はすべて説明のための仮のものです。実際の相場ではありません)
単価3円のチラシを600枚、配布に3時間、仕分け・移動・報告に1時間、経費0円の場合
(3円 × 600枚 − 0円)÷ 4時間 = 450円
同じ単価でも、1時間に配れる枚数で結果は大きく変わります。下の表も仮の数字ですが、枚数の差がそのまま時給の差になることが分かります。
| 地域の様子(仮の設定) | 配布3時間で配れた枚数 | 報酬(単価3円) | 準備・移動・報告1時間を足した時給 |
|---|---|---|---|
| 戸建てが離れていて坂が多い | 300枚 | 900円 | 225円 |
| 戸建てが並ぶ住宅地 | 600枚 | 1,800円 | 450円 |
| 集合住宅が多く、集合ポストに入れられる | 1,200枚 | 3,600円 | 900円 |
山崎がこの表で伝えたいのは金額そのものではなく、「1日◯円も可能」という募集の数字は、いちばん配りやすい条件で計算されていることが多いという点です。応募の前に、次の3つを質問してください。答えをはぐらかす募集は、見送ってかまいません。
- 担当する地域は選べるのか、会社が決めるのか。集合住宅と戸建てのどちらが多いか
- チラシは自宅に届くのか、取りに行くのか。折る・組む作業はあるか(その作業に報酬は出るか)
- 配れなかった枚数はどうなるか。期限に間に合わなかったときの決まりはあるか
件単価を時給に直す考え方は、データ入力の件単価を時給に直す記事やシール貼り内職の工賃の記事でも同じ式を使っています。在宅の仕事と比べたい方は、あわせて読んでみてください。
始め方|応募から報酬の受け取りまで
| 順番 | やること | 確かめる点 |
|---|---|---|
| 1 | 勤務先の就業規則を読む | 副業が禁止・許可制・届出制のどれか。ポスティングは近所で人に見られる仕事でもある |
| 2 | 募集を探して応募する | 会社の所在地と連絡先が書かれているか。契約の形(業務委託か雇用か)が明記されているか |
| 3 | 条件を書面やメッセージで受け取る | 単価、担当地域、期限、報酬の締め日と支払日、配布禁止の決まり |
| 4 | チラシと地図を受け取る | 枚数を数えて、受け取った数を記録する |
| 5 | 配布して、時間と枚数を記録する | 開始と終了の時刻、配った枚数、入れなかった建物とその理由 |
| 6 | 報告して、報酬を受け取る | 明細の枚数と自分の記録が合っているか |
業務委託で受ける場合、仕事を頼む側には、報酬の額や支払期日などの取引条件を書面やメールなどで示す義務があります(いわゆるフリーランス法。2024年11月施行)。口頭の説明だけで始めさせる相手には、条件を文字で送ってもらうよう頼んでください。条件のどこを見るかは業務委託契約書のチェックポイントに、就業規則の読み方は就業規則の副業禁止・許可制を確かめる記事にまとめています。
気をつける点|配ってはいけない場所
ポスティングで苦情や事故につながるのは、ほとんどが「入れてはいけない場所に入れた」「入ってはいけない場所に入った」場合です。依頼元の決まりより前に、次の場所は避けてください。
| 場所 | なぜ避けるのか |
|---|---|
| 「チラシお断り」「投函禁止」と表示があるポスト | 住人が受け取りを断っている。入れれば依頼元への苦情になり、配布員の責任を問われる |
| 管理人や掲示で、チラシ配布のための立ち入りを断っている集合住宅 | 管理者の意思に反して敷地や共用部分に入ることになる(下で説明) |
| オートロックの内側(住人のあとについて入る、など) | 入ることを認められていない場所への立ち入りになる |
| 「立入禁止」「関係者以外立入禁止」の表示がある敷地 | 表示そのものが、入ることを禁じる意思の表れになる |
| 門の内側の玄関ポスト、庭を横切らないと届かないポスト | 敷地に深く入ることになる。依頼元の決まりで「門の外のポストだけ」としていることも多い |
| チラシや郵便物があふれているポスト、空き家と分かる家 | 読まれないうえ、留守や空き家であることを外から分かりやすくしてしまう |
| 依頼元から渡された配布禁止リストの建物 | 過去に苦情があった場所。入れると契約違反になる |
| ポスト以外の場所(ドアノブ、車、自転車のかご、店の中) | 指示のない場所に置くのは配布ではなく、苦情とごみの原因になる |
断られた場所に入ると、法律の問題になることがある
刑法130条は、正当な理由がないのに人の住居や、人が管理する邸宅・建造物に入ることを罰しています。集合住宅の廊下や階段といった共用部分も、この対象になりえます。最高裁判所は、ビラを各戸に入れる目的で、管理者の意思に反して集合住宅の共用部分に立ち入った行為について、同条の罪が成立すると判断しています(平成20年4月11日判決、平成21年11月30日判決)。
これらは政治的なビラの事案で、商業チラシの配布がただちに同じ結論になるとは言えません。ただ、判断の軸は「管理者の意思に反する立ち入りかどうか」でした。立ち入りを断る掲示がある建物、管理人に断られた建物には入らない。これがいちばん確実な守り方です。なお、軽犯罪法にも、入ることを禁じた場所に正当な理由なく入った人を罰する規定があります。

迷ったら入れない、が基本です。1枚入れなくても報酬は数円しか変わりませんが、1件の苦情は依頼元との関係を終わらせることがあります。入れなかった建物は、理由を添えて報告すれば足ります。
配らずに捨てない・家にため込まない
配り切れなかったチラシを捨てたり、配ったことにして報告したりすると、契約違反になります。依頼元は広告主に「配った」と報告して代金を受け取っているので、損害賠償を求められることもありえます。配布会社の多くは、位置情報の記録や、配布後の抜き取り確認を行っています。配り切れないと分かった時点で、正直に連絡してください。
けがと暑さへの備え
業務委託の場合、配布中のけがに勤務先や依頼元の労災保険は原則として使えません。夏の日中は避け、水分を持ち、自転車を使うなら交通ルールを守ってください。自転車の交通違反には、2026年4月から反則金の制度(いわゆる青切符)が始まっています。
こんな募集には応募しない
ポスティングそのものは、昔からある分かりやすい仕事です。ただ、「誰でもできる軽作業」という入り口は、別の目的の勧誘にも使われます。次のどれかに当てはまったら、応募を止めてください。
- 登録料・研修費・保証金を先に払わせる:チラシを配る仕事で、働く側が先にお金を払う理由はありません
- 「チラシ代」「教材費」として買い取りを求める:配るものを自分で買う形は、仕事ではなく販売の勧誘です
- 会社の所在地や連絡先が書かれておらず、SNSのDMやメッセージアプリだけで話が進む:報酬が支払われなかったときに、相手を特定できません
- 配るものの中身を教えない、荷物の受け取りや転送もあわせて頼まれる:中身の分からない物を運ぶ・受け取る仕事は、犯罪に巻き込まれるおそれがあります
- 「歩くだけで月◯万円」と収入を約束する:出来高制の報酬は配った枚数で決まるので、約束できる人はいません
- ポスティングの説明の途中から、別の副業や投資の話に変わる:最初の仕事は、連絡先を集めるための入り口だった可能性があります
お金を払う前に確かめる点は副業詐欺の見分け方7つに、初期費用のかからない仕事の探し方は安全な副業の探し方にまとめています。
税金と会社への届出
税金の扱いは、契約の形で分かれます。
| 契約の形 | 所得の種類 | 会社員が確定申告をする目安 |
|---|---|---|
| 業務委託 | 多くは雑所得(報酬 − 経費) | 給与以外の所得の合計が年20万円を超えたとき |
| 雇用(アルバイト) | 給与所得 | 本業以外の給与の収入などの合計が年20万円を超えたとき |
どちらも、20万円以下なら所得税の確定申告は原則として不要ですが、住民税の申告は別に必要です。業務委託の場合に経費になるのは、配布のために買ったかばんや雨具、配布地域までの交通費などです。記録の残し方は副業の帳簿は最低限どこまで必要かで扱っています。
なお、特定の相手から継続して仕事を受ける人には、実際の経費が少なくても一定額までを必要経費にできる「家内労働者等の必要経費の特例」があります。ただし国税庁の案内では、給与の収入がその金額以上ある人は対象になりません。フルタイムで勤めている会社員の副業では、使えないことがほとんどです。
20万円の数え方は副業の確定申告と20万円ルール、住民税から勤務先に伝わる条件は住民税を普通徴収にしても副業が会社に伝わる5つのケースで整理しました。
日給で払われる単発の仕事として、交通量調査のバイトと日雇いの源泉徴収は「交通量調査のバイトは日給いくら?日雇いの源泉徴収と会社員が受けるときの注意」で整理しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 1時間に何枚くらい配れますか?
地域の建物の並び方、坂の多さ、チラシの種類の数、慣れで大きく変わるため、決まった数字はありません。募集要項に目安が書かれていても、それは配りやすい条件での数字かもしれません。最初の2〜3回は開始と終了の時刻、配った枚数を記録し、自分の数字を出してください。
Q2. 「チラシお断り」のポストに入れてしまったら、どうなりますか?
住人から依頼元や広告主に苦情が入り、配布員に確認が来ることがあります。気づいた時点で依頼元に連絡してください。ポストに手を入れて取り戻そうとするのは、別の問題になるのでやめてください。次回から入れないよう、地図に印を付けておきます。
Q3. 時給に直したら最低賃金より低くなりました。違法ではないのですか?
最低賃金は、雇われて働く人に適用される決まりです。業務委託の出来高制には適用されないため、時給に直した金額が最低賃金を下回っても、それだけで違法にはなりません。ただし、契約は業務委託でも、時間や場所を細かく指定されて指揮を受けているなど、実態が雇用に近い場合は扱いが変わることがあります。疑問があれば、労働基準監督署に相談できます。
Q4. 配り切れなかったチラシは、どうすればよいですか?
期限の前に依頼元へ連絡し、残りの枚数を伝えて指示を受けます。返却するのが一般的です。捨てる、家にため込む、配ったことにして報告する、のどれも契約違反になります。
Q5. 家族や友人に手伝ってもらってもよいですか?
依頼元との契約によります。配布員本人が配ることを条件にしている会社や、チラシの持ち出し先を制限している会社があります。手伝ってもらう前に、依頼元に確かめてください。
まとめ|単価より先に、時間を測る
- ポスティングの報酬は、業務委託なら「単価 × 配った枚数」。最低賃金は適用されない
- 時給は、受け取り・仕分け・移動・報告の時間も足してから割る
- 応募の前に、担当地域・チラシの受け取り方・配れなかった枚数の扱いを質問する
- 「チラシお断り」のポスト、立ち入りを断っている建物、オートロックの内側には入れない・入らない
- 配り切れないときは捨てずに連絡する
- 先にお金を払わせる募集、中身を教えない募集には応募しない
次に読むなら、同じ「体を動かす副業」でも雇用契約で時給が決まっている形を整理したスキマバイトアプリの記事がおすすめです。出来高制と時給制を並べると、自分に合う形を選びやすくなります。
※本記事は、2026年10月時点で公開されている法令・裁判所・国税庁の情報をもとに、一般的な内容を整理したものです。単価・配布の決まり・報酬の支払条件は依頼元ごとに異なります。計算例の数字は説明のための仮のもので、実際の報酬を示すものではありません。法律や税金の扱いは個別の事情で変わるため、最終的な判断は依頼元・労働基準監督署・税務署・市区町村などにご確認ください。
山崎から一言



ポスティングは、先にお金を払わずに始められて、歩いた分だけ数字になる仕事です。山崎がこれまで調べてきた「払ってから始まる副業」とは出発点が違います。そのぶん、割に合うかどうかは自分で測るしかありません。最初の1回は、時計とメモを持って出かけてください。出てきた時給を見て、続けるかどうかを決めれば十分です。










