副業の報酬が未払いになったら?催促から少額訴訟までの6段階とフリーランス法の60日ルール

副業の報酬が未払いになったら?催促から少額訴訟までの6段階とフリーランス法の60日ルール

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。

こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、そこから地道な副業で立て直すまでに130件以上の案件を調べてきました。この記事では、副業で納品したのに報酬が振り込まれないとき、何をどの順番でやればいいかを整理します。

先に結論を書きます。未払いは、いきなり裁判を考えるより「本当に未払いか確かめる → 証拠をそろえる → 書面で催促する → 内容証明 → 第三者の窓口 → 支払督促・少額訴訟」の順に一段ずつ上げていくのが、費用と手間の面でいちばん無理がありません。相手が会社(従業員を雇っている事業者)なら、2024年11月に施行されたフリーランス法の「60日ルール」も使えます。

※本記事は法制度の一般的な整理であり、個別の事案についての法的判断ではありません。金額が大きい場合や相手が支払いを明確に拒否している場合は、弁護士・法テラスなど専門家への相談をおすすめします。

目次

結論|未払いは「6段階」で一段ずつ上げていく

報酬の未払いで多い失敗は、①まだ支払期日が来ていないのに強く催促して関係をこじらせる、②逆に遠慮して何か月も放置し、相手と連絡が取れなくなる、の2つです。段階を決めておくと、どちらも防げます。

段階 やること 費用の目安 次に進む目安
0. 確認 支払期日・検収の有無・振込額の差(源泉徴収・手数料)を確かめる 0円 期日を過ぎていると確認できたら
1. 証拠 契約内容・納品記録・やり取りを保存する 0円 すぐ(催促の前に)
2. 催促 メール・チャットで事務的に支払いを依頼する 0円 返信なし・期日の約束なしで1〜2週間
3. 内容証明 支払期限を区切った請求書を内容証明郵便で送る 数千円程度 指定した期限を過ぎたら
4. 第三者 フリーランス・トラブル110番(無料)、公正取引委員会などへの申出 0円 話し合いがまとまらないとき
5. 裁判所 支払督促・少額訴訟(60万円以下) 手数料・郵便代など —

どこで止めるかは、金額と相手の反応で決めます。数千円の未払いのために内容証明まで進むかどうかは人それぞれですが、「0〜2段階」までは費用がかからないので、金額にかかわらずやっておくことをおすすめします。

すでに申し込んでしまった方、いま勧誘が届いている方へ。山崎の副業相談室(LINE・無料)では、届いているDMや契約の画面を送っていただければ、これまでに調査した事例と照合してお答えしています。返金・解約の進め方も個別にご案内します。友だち追加は無料で、いつでもブロックできます。

山崎の副業相談室 LINE友だち追加はこちら

まず確認|それは本当に「未払い」か

催促する前に、次の表で「払われていない」のか「まだ払う時期ではない」「減って見えているだけ」なのかを切り分けます。ここを飛ばして催促すると、相手の信頼を失うのは自分のほうです。

よくある状況 実際に起きていること 確認する場所
月末に入ると思っていた 契約上は「月末締め・翌月末払い」などで、まだ期日前 契約書・発注書・募集ページ
納品したのに入らない 相手の「検収(受け取り確認)」が済んでいない扱いになっている 納品後のやり取り
金額が約1割少ない 報酬から所得税が源泉徴収されている 支払明細・支払調書
数百円少ない 振込手数料を差し引かれている(契約で負担者が決まっていない) 契約書の支払条件
請求書を出していない 相手の経理が請求書を起点に支払う運用になっている 自分の送信履歴

1割ほど少ない場合は、ほとんどが源泉徴収です。これは払われていないのではなく、税金として先に納められている分なので、確定申告で精算します。詳しくは副業の報酬から源泉徴収されていたときの還付の受け方で整理しています。

なお、あとで説明するフリーランス法の対象になる取引では、請求書を出していないことを理由に支払いを遅らせることは想定されていません(期日は受け取った日を起点に決まるため)。それでも、請求書を出しておくほうが話は早く進みます。

相手が会社ならフリーランス法の「60日ルール」を確認する

2024年11月1日から、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(通称フリーランス法・フリーランス新法)が施行されています。会社員が個人で請け負う副業も、条件に当てはまれば対象になります。

対象になるかどうか

確認すること 対象になりやすい 対象外になりやすい
あなた(受注する側) 従業員を雇わず、個人(または一人社長の法人)で請けている 人を雇って仕事をしている
相手(発注する側) 従業員を雇っている会社・事業者 従業員のいない個人(個人どうしの取引)
取引の中身 事業者から業務を委託されている(ライティング・デザイン・動画編集など) 自分の商品を一般消費者に売っている

細かな適用条件は公正取引委員会・中小企業庁の公開資料で確認してください。ここでは「相手が人を雇っている会社なら、対象になる可能性が高い」と覚えておけば十分です。

60日ルールの中身

  • 発注者は、成果物を受け取った日から60日以内(できる限り短い期間)で支払期日を決めなければならない
  • 支払期日を決めていなかった場合は、受け取った日そのものが支払期日の扱いになる
  • 60日を超える期日を決めていた場合は、受け取った日から数えて60日を経過する日の前日が支払期日の扱いになる
  • 決めた期日までに支払わなければならない

つまり「来月の締めで処理するので、もう少し待ってください」と言われ続けて、受け取りから2か月を超えているなら、対象取引であれば法律上の期日を過ぎている可能性が高いということです。

違反が疑われる場合は、公正取引委員会・中小企業庁に申出ができます。調査のうえで指導・勧告が行われることがあり、2026年2月には公正取引委員会がこの法律に基づく勧告を実際に公表しています。ただし、申出は相手に是正を促す行政の仕組みであり、未払い分を代わりに取り立ててくれるものではありません。お金を回収する手段としては、次の段階別の対処と組み合わせて使います。

段階別の対処|証拠から少額訴訟まで

段階1:証拠をそろえる(催促より先に)

催促した瞬間に、相手がチャットのグループを消したり、アカウントを削除したりすることがあります。そうなるとやり取りの画面が消えて、何を約束していたのか証明できなくなります。これが一番もったいない失敗です。催促の前に、次のものを手元に保存してください。

残すもの 具体例 保存のコツ
契約の内容 契約書・発注書・募集ページ・条件が書かれたメッセージ 日付と相手の名前が入るようにスクリーンショット
納品の記録 納品メール・ファイルの送信履歴・公開されたURL 送信日時が分かる画面ごと保存
金額と期日 単価・本数・支払日が書かれたやり取り 口頭の約束なら、その日のうちにメッセージで確認しておく
相手の情報 会社名・所在地・担当者名・連絡先 公式サイトの会社概要・特商法表記も保存

特に相手の正式な名前と住所は、内容証明や裁判所の手続きで必要になります。SNSのアカウント名しか分からない相手だと、段階3以降に進めなくなるので注意してください。

段階2:メール・チャットで事務的に催促する

最初の催促は、怒りを出さずに「事実」と「お願い」だけを書きます。行き違いで遅れているだけのことも多いからです。

○○株式会社 ご担当者様
お世話になっております。△月△日に納品いたしました「□□」の報酬(○○円)について、お約束の△月△日を過ぎましたが、まだ入金を確認できておりません。
行き違いでしたら申し訳ございません。お手数ですが、お支払いの状況と予定日をご教示いただけますでしょうか。

送ったら、返信の有無と日付を記録しておきます。1〜2週間たっても返信がない、または「近いうちに」と日付を言わない返事が続くなら、次の段階に進む目安です。

段階3:内容証明郵便で期限を区切って請求する

内容証明郵便は、「いつ・誰が・誰に・どんな内容の文書を送ったか」を郵便局が証明してくれる郵便です。それ自体に支払いを強制する力はありませんが、次の効果があります。

  • 相手に「記録に残る形で請求された」と伝わり、支払いに動くことが多い
  • 裁判所の手続きに進んだとき、請求した事実の証拠になる
  • 請求(催告)によって、時効の完成が6か月間猶予される

文面には、契約の内容・納品日・金額・当初の支払期日・新たな支払期限(例:到着から7日以内)・振込先を書きます。料金は文書の枚数や配達証明の有無で変わりますが、数千円程度です。インターネットから出せる「e内容証明」も用意されています。

なお、報酬の請求権は、2020年4月の民法改正以降の契約なら、原則として請求できると知った時から5年で時効になります。副業の未払いで時効が問題になることは多くありませんが、「そのうち」で放置しないに越したことはありません。

段階4:無料の第三者窓口を使う

相手が話し合いに応じない、あるいは言い分が食い違っているときは、第三者に入ってもらいます。

窓口 できること 向いているケース
フリーランス・トラブル110番(0120-532-110) 弁護士による無料相談。和解あっせん(弁護士が間に入る話し合い)も無料 フリーランス・副業の取引トラブル全般
公正取引委員会・中小企業庁 フリーランス法違反の申出。調査・指導・勧告 相手が会社で、60日ルールや取引条件の明示に違反している疑い
クラウドソーシングの運営窓口 規約違反の報告・仮払いの扱いの相談 プラットフォーム経由で受けた仕事

フリーランス・トラブル110番は、厚生労働省の委託で第二東京弁護士会が運営している窓口です。受付時間は公式サイトで確認してから電話してください。「相手に内容証明を送ったが無視された」段階で相談すると、次の打ち手を具体的に教えてもらいやすいです。

段階5:支払督促・少額訴訟

それでも払われない場合、裁判所の手続きがあります。副業の報酬のような比較的少額の請求では、次の2つがよく使われます。

手続き 特徴 注意点
支払督促 相手の住所地の簡易裁判所に書類で申し立てる。裁判所に出向かずに進められる。金額の上限はない 相手が異議を出すと通常の裁判に移る。相手の住所が分からないと使えない
少額訴訟 60万円以下の金銭の請求。原則1回の審理で判決が出る 同じ簡易裁判所で使えるのは年10回まで。相手が通常の訴訟への移行を求めることもできる

どちらも弁護士に頼まずに自分で申し立てることができ、簡易裁判所の窓口や裁判所のウェブサイトで書式が手に入ります。費用は請求額に応じた手数料と郵便代などで、弁護士に依頼する場合に比べるとかなり小さく済みます。

クラウドソーシング経由の仕事なら、まず「仮払い」を確認

クラウドワークスやランサーズなどの大手クラウドソーシングでは、多くの場合、発注者が報酬を先に運営会社へ預ける「仮払い」の仕組みがあります。仮払いが済んだ仕事なら、未払いが起きても運営会社の規約に沿って解決を図れます。

  • 仮払いの前に作業を始めない(仮払いがない仕事は、未払いになっても運営の保護を受けにくい)
  • 「手数料がもったいないから直接取引にしよう」という誘いに乗らない。多くのサービスで規約違反になるうえ、未払いになったときに頼れる先がなくなる
  • やり取りは必ずサービス内のメッセージで行う(外部チャットに移ると記録が運営に残らない)

スキル販売型のココナラも、購入者が先に代金を支払ってから取引が始まる仕組みなので、個人間の直接取引よりは未払いが起きにくい形です。これから受注の窓口を作るなら、こうした決済をサービス側が預かる形のものから始めると安心です。

安全に使えるクラウドソーシングの選び方は、安全なクラウドソーシング4選とスクールに払う前の判断基準で比較しています。

未払いのときにやってはいけないこと

腹が立つのは当然ですが、次の行動は自分が不利になるおそれがあります。

やりがちなこと なぜ避けるか
SNSで相手の実名・社名をさらす 内容や書き方によっては名誉毀損などを主張され、逆に請求される側になるおそれがある
納品済みのデータを勝手に消す・公開サイトを書き換える 契約の内容によっては、こちらの債務不履行や損害を主張されるおそれがある
相手の事務所や自宅に押しかける トラブルが大きくなり、話し合いの余地がなくなる
「回収します」と連絡してきた業者にお金を払う 被害者を狙った二次被害の典型。弁護士以外が報酬を得て他人の債権を回収することは、原則として認められていない

特に最後の「回収代行」をうたう連絡は注意してください。山崎正義が300万円の被害を受けた頃から、困っている人に「取り戻します」と近づく手口はなくなっていません。副業詐欺の被害と返金の話は副業詐欺の返金は可能?取り戻せる条件と手順にまとめています。

次から未払いを防ぐためのセルフチェック

未払いは、起きてから対処するより、受ける前の確認で大半を防げます。新しい相手から仕事を受けるときは、次の表で確認してください。

チェック項目 はい / いいえ
相手の正式な会社名・所在地が分かっている □
報酬額・支払日・振込手数料の負担者が文字で残っている □
「納品」「検収」がいつ完了するか決まっている □
修正の回数・範囲が決まっている(無限修正で支払いが先延ばしにならない) □
初めての相手・高額の仕事は、着手金や分割払いにできないか相談した □
クラウドソーシング経由なら、仮払いが済んでから作業を始める □

「いいえ」が2つ以上ある仕事は、受ける前に条件をメッセージで確認しておくだけでも、未払いになったときの立場が大きく変わります。契約書で見るべき箇所は副業の業務委託契約書はどこを見る?サイン前に確認する9か所で詳しく整理しています。副業の探し方全体は安全な副業の探し方も参考にしてください。

最初の数件だけ報酬が振り込まれ、そのあと案件の供給も連絡も止まったという報告が続いた例として、スマートワークス(株式会社Smile)の検証記事も参考になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 副業が会社にバレるのが怖くて、裁判所の手続きに進めません。

A. 支払督促や少額訴訟は相手とのあいだの手続きで、勤務先に裁判所から通知が行くものではありません。ただし、書類の送り先や連絡先の書き方には気をつけてください。不安な場合は、フリーランス・トラブル110番や法テラスで相談してから進めると安心です。

Q. 相手が個人で、フリーランス法の対象外でした。もう請求できませんか?

A. できます。フリーランス法は「発注者が守るべきルール」を上乗せする法律で、対象外でも、約束した報酬を請求できることに変わりはありません。証拠をそろえて、催促・内容証明・支払督促や少額訴訟の順で進めます。

Q. 「成果物の品質が悪いから払わない」と言われました。

A. どこまでが約束の範囲だったか(仕様・修正回数・検収の条件)が争点になります。まず契約内容とやり取りを整理し、言い分が食い違うならフリーランス・トラブル110番の和解あっせんなど、第三者が間に入る方法を検討してください。

Q. 相手と連絡がまったく取れなくなりました。

A. 相手の正式な名前と住所が分かっていれば、内容証明や支払督促に進めます。分からない場合は、取引したプラットフォームの運営窓口への報告や、弁護士への相談を検討してください。SNSのアカウント名しか知らない相手とは、今後は取引しないことをおすすめします。

相談先まとめ

  • ① 消費者ホットライン(188):副業の勧誘・契約トラブル全般(消費者として契約した場合)
  • ② 警察相談専用電話(#9110):脅し・つきまといなど身の危険を感じるとき
  • ③ 法テラス(0570-078374):法制度と相談窓口の案内、条件を満たせば無料法律相談
  • ④ 日本弁護士連合会:各地の弁護士会の法律相談センターの案内
  • ⑤ フリーランス・トラブル110番(0120-532-110):フリーランス・副業の取引トラブルの無料相談・和解あっせん

※本記事は2026年9月時点で公開されている法令・行政資料をもとにした一般的な情報です。手続きの費用・受付時間・適用条件は変更されることがあるため、必ず各機関の公式情報で確認してください。

山崎から一言

報酬の未払いは、「自分の書き方が悪かったのかも」と遠慮してしまう人ほど長引きます。約束どおりに納品したなら、支払いを求めるのは当然の権利です。怒らず、でも放置せず、今日できる「証拠の保存」と「事務的な催促」から始めてください。一段ずつ進めれば、ほとんどの未払いは裁判所まで行かずに片づきます。

山崎の副業相談室(LINE・無料)

友だち追加は無料で、いつでもブロックできます。いま届いている勧誘が過去の事例と一致していないか、一緒に確認しましょう。

山崎の副業相談室 LINE友だち追加はこちら

▶ LINEで山崎に相談する(友だち追加・無料)

副業の報酬が未払いになったら?催促から少額訴訟までの6段階とフリーランス法の60日ルール

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

NEXT STEP

怪しい案件を避けて、安全に始めたい方へ

130件以上の調査経験から、山崎正義が「安全に使える」と判断したサービスと選び方をまとめています。迷ったら山崎の副業相談室(LINE・無料)で質問もできます。

著者への連絡はこちら

山崎正義のアバター 山崎正義 検証者

実体験に基づく検証で副業詐欺被害者をゼロにする.
みなさんが少しでもいい方向へ一緒に迎える様にサイトを
立ち上げてみました。

目次