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こんにちは、YAMAZAKI JOB MEDIA編集長の山崎正義です。副業詐欺で300万円の借金を背負い、地道な副業で立て直す過程で、130件以上の副業案件を調べてきました。「デザインを学べば在宅で月◯万円」という講座の勧誘も、その中に何度も出てきます。
この記事は、Webデザインの副業を始めたいけれど「最初の1件をどう取ればいいか」で止まっている方に向けたものです。コンペ形式の募集に出し続けるのが割に合いにくい理由、実績ゼロでも受けやすい仕事の種類、そして受注する前に必ず決めておきたい3つのこと(修正回数・素材のライセンス・著作権の扱い)を順番に整理します。
結論|最初の1件は「バナー1枚」を出品で取り、条件を先に文字で決める
先に結論です。Webデザインの副業は、実務経験がなくても始められます。ただし、未経験者がいきなり「ホームページ一式のデザイン」を受けるのは現実的ではありません。最初の1件は、バナーやSNS用の画像1枚のように、範囲が狭く完成形がはっきりした仕事から入るのが近道です。
山崎正義が8年間の副業経験と勧誘案件の調査から見てきた限り、最初でつまずく人には共通点が2つあります。1つは、採用されなければ報酬ゼロのコンペに出し続けて疲れてしまうこと。もう1つは、修正回数や素材の権利を決めないまま受けて、終わらない修正やトラブルを抱えることです。
| よくある始め方 | おすすめする始め方 |
|---|---|
| コンペに毎週何本も応募する | 範囲と価格を自分で決めて「出品」する |
| いきなりサイト一式のデザインを受ける | バナー1枚・SNS画像1枚から受ける |
| 修正は「納得いくまで」で受ける | 修正回数を「2回まで」など文字で決める |
| ネットで見つけた素材をそのまま使う | 商用利用できる素材か、ライセンスを確認して使う |
コンペ形式に出し続けるのが割に合いにくい理由
クラウドソーシングには、依頼者が複数の応募作品の中から気に入ったものを選ぶ「コンペ形式」の募集があります。ロゴやバナーの募集に多く、実績ゼロでも応募できるため、初心者が最初に手を出しやすい形式です。
ただし、コンペは採用されなかった作品には報酬が発生しないのが基本です(採用者が出なかった場合の扱いはサービスごとに定めがあります)。つまり、作った時間がそのまま報われない可能性がある働き方です。
| 比べる点 | コンペ形式 | 出品(スキル販売) |
|---|---|---|
| 報酬が出るタイミング | 採用されたときだけ | 購入されて納品したとき |
| 作業を始めるタイミング | 採用が決まる前に作る | 購入が決まってから作る |
| 価格を決める人 | 依頼者 | 自分 |
| 競う相手 | 同じ募集の応募者全員(経験者を含む) | 同じカテゴリの出品者(並び方は分散する) |
| 向いている使い方 | 練習・作例づくりと割り切るとき | 最初の1件の評価を取りにいくとき |
時給に直すと見えること
コンペの割に合わなさは、時給に直すとはっきりします。たとえば、採用時の報酬が1万円のバナーコンペに、1本3時間かけて応募するとします。10本応募して1本採用なら、報酬1万円に対して作業は30時間。手数料を引く前でも時給は約333円です(説明用の仮の数字です)。
コンペを完全に否定するわけではありません。「練習として作例を増やす」と割り切って月に数本だけ出すなら、意味はあります。ただ、収入の柱として何十本も出し続けるのはおすすめしません。なお、不採用になった作品の権利の扱いや、他で作例として使ってよいかは、サービスの規約やヘルプで確認してから判断してください。
実績ゼロでも受けやすい3つの仕事
未経験者が最初に受けやすいのは、次の3種類です。共通点は、サイズ・枚数・用途が最初から決まっていて、出来上がりを依頼者がすぐに判断できることです。
| 仕事の種類 | 決まっていること | 初心者に向く理由 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| ① Web広告・サイト用バナー | サイズ・文言・掲載先 | 1枚で完結し、作例にもしやすい | 広告の掲載先ごとにサイズや文字量の決まりがある |
| ② SNS投稿用の画像 | 正方形など規格がほぼ固定 | 同じ型で継続依頼になりやすい | 「毎月◯枚」の継続案件は月の上限枚数を決める |
| ③ 既存サイトの画像差し替え・部分デザイン | 差し替える範囲 | サイト全体の設計をしなくてよい | 管理画面のログイン情報を預かる場合の扱いを決める |
反対に、ロゴ制作は小さく見えても、会社やお店の「顔」になるため修正が長引きやすく、商標の問題も絡みます。最初の数件は避けたほうが無難です。
最初の1件までの手順
| 段階 | やること | 終わりの目安 |
|---|---|---|
| 1. 型を決める | 上の①〜③から1つに絞る | 作る物の種類が1つに決まる |
| 2. 作例を作る | 架空のお店・商品を想定してバナーを3枚 | 応募や出品で見せられる物がそろう |
| 3. 出品する | 「バナー1枚・修正2回まで・納期◯日」と範囲を決めて出品 | 1件目の購入と評価がつく |
| 4. 募集に応募する | クラウドソーシングで作例と評価を添えて応募 | 自分から仕事を取れるようになる |
作例の見せ方は実績ゼロでも仕事を獲得するポートフォリオの作り方で、1件目の評価を早く貯める方法はクラウドワークスで評価を最速で貯める方法で解説しています。
3の「出品」に使えるサービスとしては、ココナラにデザインのカテゴリがあり、出品自体は無料で始められます。販売手数料や出金のルールは変わることがあるため、出品前に公式サイトで最新の条件を確認してください。
出品型サービスどうしの違いはスキル販売サイト比較5選で、4の段階で使うクラウドソーシングの選び方は安全なクラウドソーシング4選で整理しています。
受注する前に決めておく3つのこと
デザインの仕事のトラブルは、腕前よりも最初の取り決めの抜けから起きることがほとんどです。次の3つは、作業を始める前にメッセージ(文字)で残しておきましょう。
① 修正の回数と「修正」の範囲
「修正は何回まで無料か」に加えて、何が修正で、何が作り直しかを分けておくことが大切です。文字の変更や色の調整は修正、方向性そのものを変えるのは作り直し、というように線を引いておくと、終わらない修正を防げます。
| 取り決めの例 | 決めないと起きること |
|---|---|
| 修正は2回まで。3回目以降は1回◯円 | 修正が10回を超え、時給が数百円に下がる |
| デザイン案は2案から1つを選んでもらう | 「別の案も見たい」が続く |
| 大幅な方向転換は作り直しとして別料金 | ほぼ新規の仕事を修正扱いで頼まれる |
② 写真・イラスト・フォントのライセンス
デザインに使う写真やイラスト、フォントには、それぞれ利用規約(ライセンス)があります。「無料素材」と書かれていても、商用利用ができない、加工してはいけない、ロゴには使えないといった条件がついていることがあります。
納品物を使うのは依頼者ですが、素材を選んだのは自分です。使った素材の配布元と規約を控えておき、必要なら依頼者にも伝えられるようにしておきましょう。依頼者から支給された写真を使う場合も、「権利の確認は依頼者側で済んでいる」ことを一言確認しておくと安心です。
③ 著作権を譲るのか、使用を許すのか
作ったデザインの著作権は、何も決めなければ原則として作った人に生まれます。仕事によっては「著作権は依頼者に譲渡」と求められることもあり、それ自体はよくある取り決めです。注意したいのは、譲るなら何をどこまで譲るのかを文字で決めておくことと、譲った後に自分の作例として公開してよいかを確認しておくことです。
なお、会社などの事業者から個人が業務委託を受ける場合、2024年11月に施行されたフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)により、発注側は仕事の内容・報酬額・支払期日などを書面やメッセージで示す義務を負います。公正取引委員会の資料では、成果物の知的財産権を譲渡・許諾させる場合はその範囲も明らかにすることとされています。条件があいまいなまま作業を急がされたら、まず書面での条件提示をお願いしてください。契約書を受け取ったときに見る場所は業務委託契約書のチェックリストにまとめています。
デザイン講座の勧誘で確認したいこと
Webデザインの副業を調べていると、「受講後に案件を紹介」「受講料は副業ですぐ回収」とうたう講座の広告に必ず出会います。講座そのものを否定はしませんが、山崎正義が300万円の被害を受けた頃から続く典型的な手口と同じ形の勧誘も混ざっています。申し込む前に、次の点を確認してください。
| 確認すること | 要注意のサイン |
|---|---|
| 「案件紹介」の中身 | 紹介するだけで、受注できなくても返金なし |
| 紹介される仕事の出どころ | 講座の関連会社が出す低単価の作業ばかり |
| 受講料の支払い方法 | その場で分割払い(ローン)の契約を急がせる |
| 解約・返金の条件 | 書面で示さず、口頭の説明だけで済ませる |
| 仕事の条件 | 「仕事を紹介するので先に教材やソフトを買って」と言われる |
最後の「仕事の紹介とセットで購入を求める」形は、業務提供誘引販売取引に当たる可能性があり、トラブルが多い型です。勧誘の典型的なパターンは副業トラブル注意喚起ガイドにまとめています。その場で決めず、迷ったら消費者ホットライン(188)に相談してください。
会社員が始める前に確認すること
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 就業規則の副業規定 | 許可制・届出制の会社がある。広告・制作会社に勤めている場合は同業として制限されることがある |
| 使うパソコン・ソフトのアカウント | 会社の端末や会社契約のソフトで副業をしない |
| ソフト代の回収 | 有料のデザインソフトを月額で契約するなら、その月額を何件で回収できるかを先に計算する |
| 確定申告の要否 | 給与所得者は副業の所得が年20万円を超えると確定申告が必要。20万円以下でも住民税の申告は別に必要 |
デザインソフトの月額やパソコンの購入費は、副業の所得を計算するときの経費になり得ますが、私用と兼ねる物は按分が必要です。詳しくは副業の経費はどこまで認められるかを参考にしてください。納品後に報酬が支払われないときの対処は副業の報酬が未払いになったらで解説しています。
「小さく受けて、数をこなして時給を上げる」という考え方は、ほかの制作系の副業にも共通します。未経験からの案件の選び方はプログラミング副業は未経験から可能か、編集系なら動画編集副業の始め方と案件の取り方もあわせてどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q1. デザインソフトは最初から有料のものが必要ですか?
最初のバナー数枚であれば、無料で使えるデザインツールから試す方法もあります。ただし、依頼者が特定のソフトでのデータ納品を求めることもあるため、受ける仕事の条件を見てから有料ソフトを検討する順番がおすすめです。無料ツールでも、素材やテンプレートの商用利用の条件は必ず確認してください。
Q2. 未経験の最初の1件は、いくらで出品すればいいですか?
当サイトでは具体的な金額を示しません。同じカテゴリの出品者の価格帯を見たうえで、「修正回数」「納期」「納品形式」をはっきり書き、その条件で自分の時給がいくらになるかを計算して決めてください。安すぎる価格で始めると、修正対応で時給がさらに下がります。
Q3. コンペで落ちた作品を、作例として公開してもいいですか?
サービスの規約や募集の条件によって扱いが異なるため、一律には言えません。公開する前に、利用しているサービスのヘルプや規約で不採用作品の権利の扱いを確認してください。依頼者の社名や商品名が入った作品は、名前を架空のものに差し替えて見せるのが安全です。
Q4. 依頼者から「修正し放題で」と頼まれました。
受ける前に回数か期間の上限を提案しましょう。「2回までは料金内、それ以降は1回◯円」のように条件を出し、合意できなければ受けないのも選択肢です。上限のない仕事は、未経験のうちほど時給を大きく下げます。
Q5. 「仕事を回すので先にデザイン講座を契約して」と言われました。
仕事の紹介と講座・教材の購入をセットにする勧誘は、トラブルの多い型です。その場で契約せず、契約書面と解約条件を持ち帰って確認し、不安があれば消費者ホットライン(188)に相談してください。
相談先まとめ
- ① 消費者ホットライン(188)… 講座・教材の契約や解約のトラブル全般
- ② 警察相談専用電話(#9110)… 脅しや詐欺の疑いがある場合
- ③ 法テラス … 報酬未払いなど法的な手続きを検討する場合の窓口案内
- ④ 日本弁護士連合会 … 弁護士への相談先の検索
※本記事は一般的な情報の整理であり、個別の契約・権利・税務についての判断を示すものではありません。法令や各サービスの条件は変わることがあるため、最新の情報は公式の案内で確認してください。
山崎から一言
Webデザインの副業は、センスの勝負に見えて、実は「取り決めの勝負」です。最初の1件はバナー1枚で構いません。範囲を区切って出品し、修正回数と素材の権利を文字で決め、納品したら時給を計算する。この繰り返しが、次の仕事を取りやすくしてくれます。高額な講座を考えるのは、小さな1件を納品してからでも遅くありません。

